霧中の読書

霧中の読書
霧中の読書
荒川洋治
みすず書房
2019年10月2日
2件の記録
  • ジクロロ
    ジクロロ
    @jirowcrew
    2026年4月22日
    椅子といえば、たったひとりで、すわることもある。むしろその方が、いちばん多いのかもしれない。話をする人も、聞く人もいない。見つめるものもない。遠い世界にいるような、いつものことでもあるような。自分の顔の輪郭が、ぼんやりと目のなかに映る。特別ではないものの、よく見れば、不思議な感じ。 それはただ、椅子にすわっているという、純粋なひとときなのだ。立ちあがってみるほどのこ ともない。さみしいほどに安らかで、穏やかである。 (『椅子と世界』) 一人暮らしのとき、ぽっかり空いてしまった時間に、自宅でなんとなく風呂をためて入っているときに、こんな時間が訪れていたなと思う。 湯なり椅子なり、そして名もない時間とともに身体をたゆたわせているとき。 「立ちあがってみるほどのこともない」 この一文に尽きるなと思う。 すべてを預けきる、その時空に。 他の話も、ずっとそんな宙ぶらりんを味わっている感じがする、そんなエッセイ集。
  • アズ
    @aslejo_0713
    2026年2月12日
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