夜間旅行者

3件の記録
- jyue@jyue2025年3月17日読み終わった3月某日(土) 学生時代に毎日利用していた沿線でおでかけをする。懐かしさで肺がいっぱいになる、むねではなくて。春も夏も秋も冬も等しく、この沿線に乗って移動したなあと思い出す。伊丹十三や吉本隆明や川上未映子や井伏鱒二や、いろんな作家と移動した。あの作家とこの駅で降りて、花見をした。この作家とあの駅で降りて、マクドナルドのポテトとソフトクリームを同時に食べると忙しないが素晴らしく幸せだということを発見した。 今日のお供は『夜間旅行者』にした。 「僕があなたを思い出すとき、僕の頭のなかではそんなふうに星が輝いているでしょう。僕も、あなたも、それをじかに見ることはできないだろうけど、僕の頭のなかではきっと、そうして星が輝いているはずです」 怖さの向こう側に美しさを秘めた小説だった。登場人物の命をみな平等に表現するところもリアルで良かった。家族にも読んで欲しいな。