卵をめぐる祖父の戦争

8件の記録
- DN/HP@DN_HP2025年6月19日読み終わった読みたくなる作中作これは、もうひとつの書かれることのなかった小説にまつわる物語でもあって。『中庭の猟犬』というタイトルのその小説は、もし読むことができたならきっと大好きになっていたような気もしている。引きこもりの男と犬にまつわる物語。ああ、そうだデイヴィッド・ベニオフはあのピットブルブルを救うことからはじまる傑作、『25時』を書いた作家だものな、と少し本編から離れたところでも納得していたのだった。
- DN/HP@DN_HP2025年6月19日読み終わった祖父が孫に語る戦時中の特別だった7日間の物語。卵はひとつのきっかけで、それよりも残酷で凄惨で愚かな戦争のなかにも、あるいはだからこそ(であれ戦争は絶対に肯定しないけれど)あった青春の、友情と恋をめぐる物語。 祖父が孫に語る、ということは若き日の彼はこの戦争に生き残るということでもあって、つまりは傷付き苦しみ疲弊しながらもある種のハッピーエンド(解決と言ってもいい)に向かうことが“わかっている”物語。それでも読み進めていけば、そのなかには幾つものドラマがあって、冷めることなくのめり込んで、悲しんだり憤ったり喜びを感じたり、ときにニヤつきながらあらゆる角度から感動していた。ああ、物語を読むというのはこういうことでもあったのだった、と改めて思ったりもして。寄り添うように読んでいけば、しっかりとfeelしてくれる素晴らしい小説だった、と今回は納得できた。
- DN/HP@DN_HP2025年6月18日読み始めた心に残る一節「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している。この話を誰かから聞いたという記憶はない。もともと知っていたような気がする。そんな話だ。」 とてもかっこいい書き出しだ。
- DN/HP@DN_HP2025年6月17日以前あまりfeelせずに途中で挫折してしまったデイヴィッド・ベニオフの長編を文庫で買い直した。とあるPodcastで取り上げられていたのを聞いた影響である。わたしはそんな風に影響を受けやすい、というかこちらから受けにいっている感も多少ある。そして、たまに訪れるそんなタイミングを大切にしたいと思っている。