ポケットに物語を入れて

ポケットに物語を入れて
ポケットに物語を入れて
角田光代
小学館
2017年4月11日
1件の記録
  • *読書で見つけた「読書(する人)」* 《第一章、ものごころついてから悟がはじめて会う父親、テッセイは、彼を江古田に連れていく。そのとき、次は江古田、という車内放送が聞こえ、私はぱっと顔を上げ、ぼんやりあたりを見まわした。物語と、自分のいる場所が、ごちゃまぜになって、軽く混乱していた。自分が物語のなかにいるような、隣の席にテッセイと悟が座っているような。 その日、私は江古田で用があったのだった。どんな用事だったのか、江古田でだれに会ったのか、そんなことはまったく覚えていないのに、西武池袋線のなかで読んだこの小説の第一章だけは、本当に、昨日のことのように思い出せる。テッセイが悟を連れていく居酒屋も、テッセイの住む安アパートも。》 — 角田光代著「恋のようなものと、ほんものの恋 佐藤多佳子『黄色い目の魚』(新潮文庫)」(『ポケットに物語を入れて』2017年4月Kindle版、小学館eBooks)
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