真夏の死

9件の記録
- m@kyri2025年8月17日読み終わった@ 自宅表題作と「翼」が好きだった 一人死のうが十人死のうが感情の表現の仕方は同じなこと、感情は貧しいこと、永遠に続く悲しみはないということ、そのすべてに絶望するということ、そうそう、そうなんだよって思う 三島は文章がきらびやかで美しいだけじゃなくて人間のことをすごくよく分かってる
- m@kyri2025年8月16日読んでる@ カフェ「朝子は気づいていなかったが、彼女は人間の感情の貧しさに絶望していたのである。一人死んでも、十人死んでも、同じ涙を流すほかに術がないのは不合理ではあるまいか? 涙を流すことが、泣くことが、何の感情の表現の目安になるというのか? 人の目に映っている彼女自身は一体何者なのか? そうかと云って自分の内部に目を移すと、この比倫を絶した悲しみの実質が、いかにも曖昧模糊としていることに、別の絶望を感じるのであった。」(p.198)
- ゆらゆら@yuurayurari2025年6月26日読み終わったいろんなタイプの小説が収められた三島の自選短篇集。 この日も朝うまく起きられず、仕事し始めても自分の出来なさ加減にどんどん気持ちが落ち込みながらやり過ごし、終業後せめて本読もうと手に取った本が何となく気分じゃなくて、もうだめだ〜とここの所少しずつ読んでるけどまだピンと来ない三島由紀夫の短編集を読んだら「離宮の松」がすごくよかった! 表題作の「真夏の死」、「春子」「クロスワード・パズル」「花火」、そしてなんと言っても「離宮の松」がよかった。解説は三島本人と津村記久子さんで、それらを答え合わせのように読む楽しみもあって良かった。 (22.12.29読了)