寂しさでしか殺せない最強のうさぎ

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- みー@mi_no_novel2025年8月9日読み終わったお盆休み読書週間2025@ 自宅タイトルに惹かれて購入🐰寂しさで死んじゃううさぎはかわいい。 小説みたいな歌集だった。ストーリーの流れがあって、その中で巧みに切り取られた日常が輝いていた💫 「長歌 初めて恋人ができた君に贈る歌」、突然現れた詩に驚いたけど、ここに作者の想いが全部詰まっていた気がする。 🫧お気に入り短歌 「この汚れっぱなし眼鏡でわかってる前見て歩いていかなきゃだって」 「ブックオフ閉店セールに資源ゴミ寸前の紙束は積まれる」 「五億年眠るくじらの背に街がつくられ僕らその中で死ぬ」 「この街の自傷のように誰もいない公園に噴水があがるよ」 「手渡しは危ないからさテーブルに置くよ紅茶もこの感情も」 「笑顔から少しはみ出た表情をして君はまだ青空の下」 「幸せなねずみが道で死んでいて僕らは笑い合うだろう今」 「寂しくて死ぬというより寂しさでしか殺せない最強のうさぎ」 「通り雨だったんだけどこの胸をしっかり黒く濡らしていった」 「もし羽根があろうが君は天使じゃない天使なんかにさせたりしない」 「君は何を思ってるのかキーボード叩く音にも慣れて眠って」 「振り向いて笑ってみせたりしなくていい傷つく場所を間違えちゃだめだ」 「完璧な二人になんてなれないや死ななきゃだいたいハッピーエンド」 「指相撲は手加減しつつ休日の午後を苺のごとく潰せり」 「死に際の一瞬にだけ心臓は海と同期を果たすらしいね」 「さくらばなひろいおでこに貼りつけてこれはあなたのお気に入りの傷」 「あいまいなままでいいから輸卵管わたってこちらの世界へおいで」 「孤独死の部屋に整理がよくされた本棚ひとつ、残されていた」