宇宙船地球号操縦マニュアル

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- semi@hirakegoma2025年7月26日読み終わった昔から知ってはいたけど読んでいなかった。学校を含めて環境教育の中でこの言葉は何度も聞いていたし、環境問題に対して説教される気がして避けていたのかもしれない。 最近では普段の仕事やニュースでカーボンニュートラルについての話題が増えてきていたけれども、自分の生活とは別の大きな世界の話をしている気がする。もう少し自分の生活に肌感として近づけたい気持ちがあった。今なら、バックミンスター・フラーの本なら、何か引っ掛かるものがないかと期待して読み始めた。 環境問題の先入観があったことで、私にとって内容は意外なものだった。地球に対してどうアクションしていくか、はもちろん主題の一つではあるけども、そのベースにある「ものごとを包括的にとらえる資質」に対する思想が最も大きなテーマなのだと感じた。頭ではなく心でとらえること、それはAIが発達した今、より意識を強く持つ意味があるだろう。 本編の言い回しが少しクセのある感じがしたので、スッと入ってこないところもあった。本編後の注釈と訳者あとがきが、本書の理解の助けになる。あえて批判されているように、包括的に捉えることで均一な世界に陥らないことも重要だろう。個人的にはフラーの戦争についての語り口が、ドライに技術の流れで述べられていて、細かな被害が捨象されているように感じてちょっと苦手だった。