ボタン穴から見た戦争: 白ロシアの子供たちの証言

ボタン穴から見た戦争: 白ロシアの子供たちの証言
ボタン穴から見た戦争: 白ロシアの子供たちの証言
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
群像社
2000年11月1日
1件の記録
  • ファイナ・リュツコ、十五歳。 「私はお母さんなしで生きていきたくなかったので、大人たちのほうに行かせてくれとせがんで泣きました。 お母さんはそれを見て叫んだんです。「これはあたしの娘じゃないよ!」って...… 「あたしの娘じゃないよ!あたしの娘じゃないよ……」 忘れられません。お母さんの眼は涙じゃなくて、血ばしっていた。目一杯血ばしっていて「これはあたしの娘じゃないよ」って。 私はどこかに遠のけられた。それからまず子供たちが撃ち殺されるのを見たんです。撃ち殺して、親たちがそれを見て苦しむのを観察しているんです。私の二人の姉と二人の兄が殺されました。子供たちを殺してしまってから、親たちに移りました。女の人が乳のみ児を抱いて立っていました。赤ん坊は瓶で水を すすっていました。奴らはまず瓶を撃ち抜いて、次に赤ん坊、そのあとでお母さんを殺したんです。 私は気が狂ってしまうと思いました……私はもう生きていけない、と……どうしてお母さんは私を救ってしまったでしょう?」
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