

いーじーらいす
@EasyRICE
2026/3/18〜
ときどき読書📖
- 2026年5月26日
- 2026年5月21日
キオスクローベルト・ゼーターラー,酒寄進一読み終わった「トゥルスニエクのあごにうっすらと血が流れていた。細い血のひと筋。糸よりも細いくらいだ。トゥルスニエクの目が絶望の色に染まっていた。ベールのようだ、とフランツは思った。すけて見えるほど薄い黒いベール。その瞬間、すべてを理解した。ほんの一瞬、未来に向かって窓がひらいた。その窓から真っ白な不安が吹きこんできた。ザルツカンマーグートから出てきたちびで、愚かで、無力な少年に向かって。さめざめと泣きながら、フランツは膝をつき、トゥルスニエクの首にかじりついて、体を押しつけた。「放すんだ、フランツ!」トゥルスニエクはフランツの髪に顔をうずめて、かすれた声でささやいた。「頼む。放してくれ!」」 - 2026年5月15日
日本の歴史(1)改版井上光貞読み終わった「日本書紀は雄略天皇時代のこととして、応神陵にまつわるつぎのような説話を記録している。 「河内の飛鳥戸の人、田辺史伯孫(たなべのふひとはくそん)が、古市の書首加竜(ふみのおびとかりゅう)の妻になった自分の娘が女児を出産したので、聟(むこ)の家へ祝いにでかけた。帰りはおそくなったがその日は月夜であった。 応神陵の下まで来ると、赤毛の馬に乗った人に会った。その馬はひじょうな駿馬だったので、伯孫はほしくなった。伯孫は自分の馬に鞭をあてて赤毛の馬を追った。赤毛の馬の乗り手は、伯孫の気持を知って馬を停めてとりかえてくれた。伯孫は、赤毛の馬を手に入れ、大よろこびで帰宅し、鞍を下ろし、秣(まぐさ)をやって眠りについた。ところが翌朝、その馬は埴輪の馬になっていた。伯孫は驚いて応神陵へ行くと、埴輪の馬の間に自分の馬が立っていた」」 - 2026年5月14日
読み終わった「米軍がバグダードを制圧した翌日、イラク国立博物館で大規模な略奪がおこった。侵入者たちが博物館内を荒らしまわり、メソポタミア文明にかかわる収蔵品を大量に略奪していったのである。略奪は数日間つづいた。 浮彫、彫像、円筒印章、粘土板など一万五千点が奪われ、そのうち現在にいたるまで回収できたのは、約六千点にすぎないという。博物館はその後閉鎖を余儀なくされ、部分再開は二〇〇九年二月まで待たなければならなかった。破壊と略奪は各地の博物館でもおこり、そしてそれは、遺跡にもおよんだ。すでにフセイン政権末期、禁輸によって経済的に困窮したイラク南部地方で、メソポタミア文明時代の諸遺跡の盗掘が進行していたのであるが、米軍の侵攻後の混乱のさなか、盗掘がさらに激しくなったのである。遺跡がほぼ壊滅してしまったケースさえもある。またバビロン遺跡などでは、占領軍が駐留キャンプ、基地を建設したために、遺跡の一部が破壊された。」 - 2026年5月11日
- 2026年5月9日
ボタン穴から見た戦争: 白ロシアの子供たちの証言スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ読み終わったファイナ・リュツコ、十五歳。 「私はお母さんなしで生きていきたくなかったので、大人たちのほうに行かせてくれとせがんで泣きました。 お母さんはそれを見て叫んだんです。「これはあたしの娘じゃないよ!」って...… 「あたしの娘じゃないよ!あたしの娘じゃないよ……」 忘れられません。お母さんの眼は涙じゃなくて、血ばしっていた。目一杯血ばしっていて「これはあたしの娘じゃないよ」って。 私はどこかに遠のけられた。それからまず子供たちが撃ち殺されるのを見たんです。撃ち殺して、親たちがそれを見て苦しむのを観察しているんです。私の二人の姉と二人の兄が殺されました。子供たちを殺してしまってから、親たちに移りました。女の人が乳のみ児を抱いて立っていました。赤ん坊は瓶で水を すすっていました。奴らはまず瓶を撃ち抜いて、次に赤ん坊、そのあとでお母さんを殺したんです。 私は気が狂ってしまうと思いました……私はもう生きていけない、と……どうしてお母さんは私を救ってしまったでしょう?」 - 2026年5月8日
天の光はすべて星フレドリック・ブラウン,田中融二読み終わった「エレン、人間はきっと星にたどり着く。どうしても他に方法がなければ、光より遅いスピードの宇宙船に乗って、親が死ねば子、子が死ねば孫がかわって操縦しながら、あるいは道中に何世紀かかろうとも死にもせず年をとりもしない仮死状態に自らをおく方法でも発明して。しかし、そんなことをしなくてもいい、もっといい方法をきっとみつけ出すにちがいない。相対性原理によると、人間は光のスピードを追い越すことができないというが、相対性原理ってのは要するに理論にすぎない。きっとどこかに近道があるにちがいない。ハイパー・スペースか、サブ・スペースか、それはどうとでも想像は自由だ。が、とにかく通っていける近道があるなら、人間は必ずそれをみつける。人間てものの能力を 、あんまりみくびっちゃいかん」 - 2026年5月6日
焼肉大学鄭大聲読み終わった「カルビ」より ※「ル」は小文字 「骨がついていないカルビメニューも多い。 ロースなどと同じ方法で焼くこともあるが、私の好きなのは、ネギカルビというメニューである。 上カルビ肉では余分なすじ肉や脂肪が取られている。この肉のひと口大のを皿に並べ、上にたっぷりのネギを盛る。長ネギの白い部分をきざんだものである。このきざみネギはニンニク、塩、胡椒、ゴマ油などで味つけされている。 焼くときは、ネギを上にして、途中でひっくり返すことはしない。いただくときにはタレではなく、レモン汁がよいだろう。塩味と酸味にネギの刺激で、上カルビのジューシーな味が堪能できる。」 - 2026年5月5日
焼肉大学鄭大聲読み始めた - 2026年5月4日
とんでもない死に方の科学ポール・ドハティー,コーディー・キャシディー,梶山あゆみ読み終わった「本物の人間大砲となって撃ちだされたら」より 「時速六〇〇〇キロ超で進むと、空気とのあいだにすさまじい摩擦が発生する。となれば、当然ながら熱が生まれるだろう(戦闘機の表面なんて三一五℃くらいになるのだ)。これがふたつ目の問題だ。今やあなたの亡骸の大部分は水でできているわけだから、この状況は非常にまずい。 結局あなたは、薄赤い水の平たい円盤となって空を飛んでいく。相当に荒唐無稽な夢でも見ない限り、こんな経験はできるもんじゃない。最後には超高温のミストとなり、音速の五倍で大気中にぶちまけられる。 あーあ。」 - 2026年5月3日
とんでもない死に方の科学ポール・ドハティー,コーディー・キャシディー,梶山あゆみ読み始めた - 2026年5月1日
文字渦(新潮文庫)円城塔読み終わった「梅枝」より 「表示される文字をいくらリアルタイムに変化させても、レイアウトを動的に生成しても、ここにある文字は死体みたいなものだ。せいぜいゾンビ文字ってところにすぎない。魂なしに動く物。文字のふりをした文字。文字の抜け殻だ。文字の本質はきっと、どこかあっちの方からやってきて、いっとき、今も文字と呼ばれているものに宿って、そうしてまたどこかへいってしまったんだろう。どう思う」 と境部さんが繰り返す。 「昔、文字は本当に生きていたのじゃないかと思わないかい」」 - 2026年5月1日
文字渦(新潮文庫)円城塔読んでる【メモ】 文字渦→「俑」が作り出すもう一つの秦 緑字→謎のテキストファイルから読み解く光る文字の発見 闘字→文字を闘わせる遊戯について 梅枝→「帋」の本と「紙」の本、文字のレイアウト 新字→言葉の力は字形に宿る。新たな文字を生み出すということ 微字→本層学による文字化石の解析。文字達の生態系 種字→書体の革新、文字のタイムマシン 誤字→動き出す文字とルビの反乱(氾濫?) 天書→天に浮かぶ読めない文字 金字→転生システムアミダ・ドライブ 幻字→猟奇殺字事件と名探偵? かな→長い旅を終え、書体と呼ばれるものを脱いで。 - 2026年4月30日
文字渦(新潮文庫)円城塔読み始めた - 2026年4月30日
蠅の王〔新訳版〕ウィリアム・ゴールディング,William Golding,黒原敏行読み終わった「「もしかしたらぼくたちは」 サイモンは人類が本質的に抱えている病のことをいいあらわそうとして、言葉に詰まった。が、そのとき、ある考えがひらめいた。 「この世でいちばん汚いものってなんだかわかる?」 みんなが沈黙して考えこむなか、ジャックがそのものずばりの一語(「糞」という言葉)を返した。オーガズムのように緊張が解けた。ぐらつく丸太にすわり直していたおチビたちがまた転げ落ちたが、痛いともなんともいわなかった。狩猟隊は大喜びで叫び声をあげた。 サイモンの弁論はむなしく崩れ去った。笑い声に容赦なく打ちすえられ、萎縮して、なすすべもなく席に戻った。」 - 2026年4月30日
蠅の王〔新訳版〕ウィリアム・ゴールディング,William Golding,黒原敏行読み始めた再読 - 2026年4月30日
狂い咲け、フリーダム栗原康読み終わった金子文子「第十二回訊問調書(一九二四年五月一四日 市谷刑務所)」 一三問 被告は改心してはどうか。 答 「 私は改悛せねばならぬようなことは断じてしておりませぬ。 なるほど私の思想や行動、計画は他人の迷惑となるから悪だとも言えましょうが、しかしこれと同時にそれは私自身を利するものであります。 自分の利のために計る事は決して悪ではなく、かえってそれは人間の本性であり、生きることの条件であります。もし自分のために計る事が悪であるとするなら、その責任は人間自体にある「生きること」にあります。私にとっては自分を利することはすなわち善であると同時に自分を不利にすることはすなわち悪であります。 しかし私は善なりと信ずるがゆえに計画を行って来たのではありませぬ。したいからして来たに過ぎないのであります。他人が悪なりとしてどのように批難しようとも、自分の道をまげ得ないと同様にお役人が善なりとしてどのように私を煽てて下さいましても、自分がなしたくなければ致しません。 私は今後もしたいことをして行きます。そのしたいことが何であるかを今から予定することはできませぬが、とにかく私の生命が地上にあらん限りは「今」という時における最も「したいこと」から「したいこと」を追うて行動するだけは確かであります。」 - 2026年4月29日
狂い咲け、フリーダム栗原康読み終わった大杉栄「生の拡充」より 「吾々の生の執念深い要請を満足させる、唯一の最も有効なる活動として、先ずかの征服の事実に対する反逆が現われた。又かの征服の事実から生ずる、そして吾々の生の拡充を障碍する、一切の事柄に対する破壊が現われた。 そして生の拡充の中に生の至上の美を見る僕は、この反逆とこの破壊との中にのみ、今日生の至上の美を見る。 征服の事実がその頂上に達した今日に於ては、階調はもはや美ではない。美はただ乱調に在る。階調は偽りである。真はただ乱調に在る。 今や生の拡充はただ反逆によってのみ達せられる。新生活の創造、新社会の創造はただ反逆によるのみである。」 - 2026年4月26日
狂い咲け、フリーダム栗原康読み始めた - 2026年4月26日
すばらしい新世界〔新訳版〕オルダス・ハクスリー,大森望読み終わった「上層階級の中でも、精神的に不安定な一部は、この種の思想によって、条件づけを簡単に解かれてしまうおそれがある。つまり、しあわせこそが絶対善”であるという信念を失い、どこか遠い彼方に現在の人間界を超えたところに――ゴールがあると信じはじめるかもしれない。生の目的は、幸福を維持することではなく、意識を強化し洗練させること、知識を拡張させることにある、と。この思想が正しい可能性はじゅうぶんにある。しかし、現状では容認できない。ムスタファ・モンドはまたペンをとり、〝出版不可"の下に、一本目よりも太く、二本目のアンダーラインを黒々と引いた。それからため息をついて、心の中でつぶやいた。しあわせのことを考えずに済んだら、どんなに楽だろう!」
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