ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)

ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)
ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)
レイモンド・カーヴァー
村上春樹
中央公論新社
1986年1月1日
4件の記録
  • 景
    @lush_fennel6764
    2025年3月27日
  • 景
    @lush_fennel6764
    2025年3月27日
    本の紹介文をつくってみる。 訳者あとがきを引用して説明する。この本はレイモンド・カーヴァーによってつくられた8つの短編集である。 本の特徴は「彼の短編にはいかにもといった『トリック』や『おち』がない」ことだ。なぜかと言うと、カーヴァーは「一行ができて、その次の行が浮かぶ」という風に短編を作成しているからだ。つまり「最初に全体のストラクチュアが存在しない」ため、「『おち』(カーヴァーの表現を借りれば(cheap-trick)の持ちこみようもない」のだ。訳者は、「カーヴァーの短編の最大の魅力は『無意識下における意外生』と言ってもいいと思う」と続けている。 この理由と、また、「何冊か彼の短編集を読んでもレイモンド・カーヴァーという作家のイメージはさっぱり浮かんでこない」「自分のプライヴェートな面にあまり触れたがらない作家」という理由により、読み終わったあと、よくわからない話だった、と思うかもしれないと考える。わたしはそのような感想を持つことは少ない(賢さのアピールではなく達成意義のために読んでいないため)が、読んでみて部分的にそのように感じるところがあった。 ✳︎ 面白かったし好きな作品は『大聖堂』かな。来訪する盲人をおもしろくないと感じている男性の心理は、身近な生き物の生態を教えてもらっているようで見ていて楽しさすら覚えた。新しい妻の行動は自分に似ていて、肯定的に読んだし、「精神安定作業」は微笑ましく感じた。わたしもそうしようかなと思ったくらい。 「もしあなたが私を愛しているなら」「私のためにも、まともに振舞ってね。もし愛していないのなら、好きにしていいわよ。でもね、もしあなたに友だちがいて、その人がうちに来るとしたら、それがどんな人だろうが私はあたたかく迎えるわよ」 このセリフはとても好き。それにこれは、人間が密接に関わるときのルールを表していると感じた。 対して、面白いけど好きじゃない作品は『足もとに流れる深い川』だな。旦那がとにかく気持ち悪いと感じてしまうし、呆れるし、この男をどうにかしてやりたいとじたばた腕を振り回したい気持ちになるし、何度もため息を吐く。主人公の女性がとてもかわいそう。寄り添いたいな。 読むことは有意義なんだけど、でもそういう気持ちになる作品は好きではないな。
  • Taiga
    Taiga
    @Taiga14
    1900年1月1日
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