ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー
ジュリアス・シーザー
シェイクスピア
安西徹雄
光文社
2007年1月20日
1件の記録
  • いづみ
    @izumi_3
    2026年6月8日
    「お前もか、ブルータス。」 私はてっきりブルータスが一番に手を下していると思っていたが、最初に刺したのはキャスカという男であった。 クライマックスのセリフかと思いきや、中盤くらいにこのセリフがある。というのもその先もブルータスの苦悩が描かれるからだ。タイトルは『ブルータス』の方が良かったのでは? 個人的に好きなセリフは、キャシアスがブルータスを仲間に引き入れるシーンだ。 「…だからこそ、誰しもが嘆いているのだ、ブルータスにはそういう鏡がないことを。鏡に映して、君の隠れた真価を、君自身の目に明らかに見せる影がないことを。」 これはブルータスを煽てて唆すシーンでもあるのだけど、私も「自分の価値は自分ではわからないし、他者との関係性から生まれるもの」ではないかと思っていた為、この言葉に心底びっくりしてしまった。400年前の人も同じことを思っているなんて。 ブルータスは厳格で他者評価が高い。が、実際にはシーザー暗殺の後からは全てが裏目に出ている。群衆を味方につけられなかった。戦争の読みも甘い。 政治家の能力とは、を考えさせられる。 シェイクスピアはリア王では魔女、マクベスでは亡霊が主人公を「唆す」が、本作は生きている人間がその役割を担うのも面白いと感じた。
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