いづみ
@izumi_3
2026年6月8日

ジュリアス・シーザー
シェイクスピア,
安西徹雄
読み終わった
「お前もか、ブルータス。」
私はてっきりブルータスが一番に手を下していると思っていたが、最初に刺したのはキャスカという男であった。
クライマックスのセリフかと思いきや、中盤くらいにこのセリフがある。というのもその先もブルータスの苦悩が描かれるからだ。タイトルは『ブルータス』の方が良かったのでは?
個人的に好きなセリフは、キャシアスがブルータスを仲間に引き入れるシーンだ。
「…だからこそ、誰しもが嘆いているのだ、ブルータスにはそういう鏡がないことを。鏡に映して、君の隠れた真価を、君自身の目に明らかに見せる影がないことを。」
これはブルータスを煽てて唆すシーンでもあるのだけど、私も「自分の価値は自分ではわからないし、他者との関係性から生まれるもの」ではないかと思っていた為、この言葉に心底びっくりしてしまった。400年前の人も同じことを思っているなんて。
ブルータスは厳格で他者評価が高い。が、実際にはシーザー暗殺の後からは全てが裏目に出ている。群衆を味方につけられなかった。戦争の読みも甘い。
政治家の能力とは、を考えさせられる。
シェイクスピアはリア王では魔女、マクベスでは亡霊が主人公を「唆す」が、本作は生きている人間がその役割を担うのも面白いと感じた。