能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

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- torajiro@torajiro2025年8月17日読み終わったaudible遺伝や進化に関連する新書を立て続けに読んで(聴いて)いた中の一冊。長年行動遺伝学の研究に携わってきた著者が著者自身の研究データや成果の他、最新の研究で明らかになっていることを解説する。 遺伝の影響の大きさを指摘することにはどこか優生学的な気配がついて回るのでタブーされがちだが、科学的にはどこまでわかっていて、そのことは私たち一人ひとりが生きる上で、あるいは私たちが生きる社会のあり方を考える上でどのように活かしうるのかを考えることは重要だと感じる。 特に面白かったし一般的なイメージとズレるであろう部分は、遺伝か環境か、ではなく遺伝は環境と相互作用するということや、どのような環境で育つかや環境からの刺激の受け方も遺伝に左右されることも含めて年齢が上がるほど遺伝の影響は大きくなる、といった話。 同じく安藤寿康さんの『教育は遺伝に勝てるか?』を紙版で購入したので併せて考えたい。