叡智の図書館と十の謎

叡智の図書館と十の謎
叡智の図書館と十の謎
多崎礼
中央公論新社
2019年2月22日
1件の記録
  • 紫嶋
    紫嶋
    @09sjm
    2025年6月22日
    時代もジャンルもさまざまな(ただしファンタジー・SFが多め)短編集でありつつも、その外側に大枠となる一つの物語も存在しており、さくさく読めつつ程よく奥行きも感じられる一冊だった。 私自身はこうした入れ子構造の物語やギミックが大好物なので、非常に楽しく読んだ。 長編を読むのが苦手という方や、この作者の本を試しに読んでみたいという方には薦めやすいかもしれない。 叡智とはなにか、守人は何者か。 万有の知恵は人間を救い、理想郷へ導き得るのか。 この本の初版の出版は2019年2月なので、連載していたのはそれよりさらに前ということになる。 そのため当時の作者がどこまで意図していたのかはわからないが、不思議と今まさに繰り広げられているAI問題にも深く関わるような……そんなテーマと問いを最後に突きつけられた気がした。 最近になり、新たにプロローグとエピローグを追加した完全版がハードカバーで出版されたと聞いたため、機会があれば手に取ろうと思う。
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