流刑 (岩波文庫)

3件の記録
- 茅野@mizuumis2025年5月12日読み終わった孤独についての小説が好きだ。パヴェーゼの切り詰め方はブレッソンの映画に似たものを感じる。 「実際には、誰かがステーファノの身を思っていた。けれども小机の抽き出しにたまっていった手紙は、みな彼の生活の真の断面に無知であった。そしてステーファノがとうの昔に忘れてしまった彼自身の事件について、悲壮な文章を連ねてくるのだった。彼の返事は素っ気ないほどに簡単だった。いくら言ってやっても、手紙を書いてくる者たちが彼の返事を勝手に解釈してしまうからだ。それで、しまいにはステーファノも、あらゆる記憶や言葉を少しずつ変えてしまった。……」 無限に引用したい