短くて恐ろしいフィルの時代

短くて恐ろしいフィルの時代
ジョージ・ソーンダーズ
岸本佐知子
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011年12月27日
3件の記録
鱗拾い@urokohiroi2026年10月11日読み終わった最近よく流れてくるから最近の本かと思ったら初版15年前!? しかも翻訳物だから原書は……21年前なのか……今こそ切に恐ろしいような話なのに……。 内容については訳者あとがきで引用されている作者の言葉がすべてだと思うので読み味の話からすると、いかにも『ねにもつタイプ』を書いている人が訳してそうなカオスさだなぁと! (私の偏った読書歴の中だと岸本さんは「『ねにもつタイプ』の人」なのである) あと不思議の国のアリスみたいな、相手を煙に巻くようなセリフ回しが多くて、軽快に読める。 ……読めてしまう、軽快に物事が悪くなっていく様を嫌なもの見たさで……。 フィルの時代の終わり際、フィル自身が内部からアポカリプスを迎える描写に慄きつつ、個人的にかつて、連絡が来るのがとても怖かった相手の文法が素であれに近い崩れ方をしていた記憶まで蘇り、二重にゾワゾワした。 他者を敵認定するとこうなるぞ、みたいな話されてるときにかつて鬼門だった相手の顔が思い浮かぶのきついって! 誰の中にもフィルはいるし、潜在的にリオーナなんだ、自分の善性なんか信じられるか創造主! それはそうとあノくだりって、原文がどうなってて訳文がああなってるの? そこだけでも読んでみたい。


- 晴月@tmm-sd2026年10月6日読み終わった訳者あとがきにあるように、ちょっとオーウェルの『動物農場』に似てる。 登場人物がいまいちどういう造形をしてるのか把握しきれなかった。フィルは脳みそがラックから落ちると気が大きくなって演説したり周囲を煽動したりしだす。 内外ホーナー国の争い(内ホーナー人がひたすら可哀想だけどそもそもの前提(内ホーナー国が小さすぎる)が意味わかんない)が大ケラー国民の楽しさ指数のためにあっという間に収められてしまうところとか、最後に謎の創造主が出てきてフィルが再利用されずにモンスターになってしまうところとか、結末の収め方がちょっと強引だけど‥まだしも希望があるオチでいいのかなぁ。
