「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」

4件の記録
いちのべ@ichinobe32026年6月21日読み始めたまだ序盤だが、タイトルになった質問をされた小学校の講演でのエピソード、海兵隊として戦地に行くまでのくだりでも心を揺さぶられまくっている。 シングルマザーに育てられ、貧しい生活を送ってきたネルソン青年は、ある日海兵隊員のスカウトに「オフィスでコーヒーとドーナツでもどうか」と声をかけられる。 > いつだって空腹のわたしには、ただで何かが食べられるのなら、どんなくだらないおしゃべりでも大歓迎でした。 > オフィスは清潔で立派で、壁には何枚ものポスターがはってありました。なかでも印象的だったのは、ハワイのビーチでかわいい女の子たちと楽しそうに語りあう海兵隊員たちのポスターでした。海兵隊員になれば、こんなに素敵なハワイの休日が待っているのだぞと、そのポスターは語っていました。 (p35) 当時、アメリカは徴兵制度をとっていたが、海兵隊は志願兵で構成されていたらしい。「経済的徴兵制」の生々しさを感じる。 実際、ネルソン氏は海兵隊に入ることで初めて、毎日3食お腹いっぱい食べられるようになる。米兵が処罰されない沖縄では狼藉に及ぶ。 > わたしたちは東洋人の一人一人を見分けることができませんでした。みんな、同じ顔に見えましたし、それでもまったく問題はなかったのです。なぜなら、わたしたちは東洋人を、そして沖縄の人々を人間として見てはいなかったからです。(p50-51)
いちのべ@ichinobe32026年6月21日読み終わった読了。 戦場での凄惨な体験。即死する心臓ではなく、長く苦しめるため下腹部を狙って撃つ。ベトコンの兵士たちを引き摺り出すため、村に残った女性や子ども、老人を皆殺しにする。 > 「なぜ、あなたたちはわたしの国にいて、わたしたちを殺しているのですか? わたしたちは自由のために戦っています。あなたたち黒人も自分の国では自由すらないではありませんか」(p100) 捕えられたベトナム人の言葉が、ネルソン氏の心に刺さる。 > そんなふうにして、黒人の権利というものを考えはじめたときに、わたしはあることに気づきました。 > それは、最前線の兵士にはなぜか黒人が多いということでした。アメリカの人口にしめる黒人の割合よりも、最前線で戦う部隊での黒人の割合のほうが、ずっと多いように感じられたのでした。(p105) 彼の感覚は事実で、実際、戦死者の25%が黒人(アメリカ軍における黒人の割合は約10%)だったらしい。その事実にもゾッとした。 > 戦争を生きのびた者のひとりとして、ほんとうの戦争について語ることは、とりもなおさず、まずしい人、罪のない人にとって、戦争はどういう悲劇をもたらすかを語ることでもあります。 そして、戦争から生まれ出るのは新たな戦争でしかなく、戦争から平和が生まれることなどけっしてありえないのだと気づいてもらうことです。(p134) > 戦争を放棄する。戦力はもたない。国というものは戦争をしてはいけない。第九条は、 はっきりとそう言っています。 > わたしはそれ以後、世界中の国々がこの第九条を共有すべきだと確信するようになりました。第九条こそが戦争をなくす唯一の道だと思うのです。(p137)


