偽葬家の一族 (角川文庫)

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- 八玖@rock51042025年6月21日読み終わった作者が好きなので購入。 同作者の別シリーズ『領怪神犯』が好きなので、求めていた雰囲気をまた違った世界観で味わえて満足。 絶対そうだろ!!と思っていた伏線も、予想通り回収されて良かった。 にわかではあるが民俗学や宗教学に興味があるので、その方面からのアプローチが嬉しい。今作については「人が作ったストーリーに怪異を当てはめて祓う」という設定が興味深い。目新しいなとも思うし、実際に人を恨んでもおかしくないような目に遭った人物を祀り鎮める御霊会をちょっと捻って因果を逆にしてある(こんだけ祟るってことはこんな辛い目に遭ったんでしょ?というある種の決めつけを行っている)ようにも思われて面白かった。 あと単純に「人間の意志(信仰)が目に見えない存在の形を決める」話が大好きなので嬉しいです。その意志が伴ってないとちゃんと祓えない、という話もしてくれてるので余計に。 メインの兄弟もだが、偽りとはいえ“家族”として関係を築いている(いた)人たちの話が、敵方含め満遍なく良い。家族になったから助けられた人がいれば、家族になってしまったから止められなかった人もいる。既に登場済みの人々の続きを見たいという意味でも、新しい偽家族の関係性を見たいという意味でも、続刊に期待したい。 あと私個人の問題だが、『完璧な家族の作り方』と続けて読んだので交互浴みたいになって情緒が大変整いました。