anone 1

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坂元裕二
河出書房新社
2018年2月27日
1件の記録
  • 読書猫
    読書猫
    @YYG_3
    2025年5月3日
    (本文抜粋) “「この世に生まれて来て、フリスクちょうど一個出すことさえできません」” “「関係ないと思いますよ。愛された記憶なんかなくても、愛することはできると思いますよ」” “「そして数ヶ月後、わたしはこの世に生まれ落ちる前に、あの世へ旅立った。どうも体が少し弱かったらしいから仕方がない。看護師さんが来て、生まれて来るはずだった子は女の子だったのよと母に言った。あーあー言わなきゃいいのにとわたしは思ったが、時既に遅し。母の中でわたしが実体化した」” “「……わたし、持本さんにはじめて会った時、言いましたよね。死に場所探しましょうって」 「はい」 「あれ、間違ってました。わたし多分もう、半分向こう側にいるんです。半分向こうにいて、生きてる子供から愛されないから、死んだ子供のことを愛してるんです。そんな人間、駄目っていうか、まあ、駄目ですよね」” “「生きなくたっていいじゃない。暮らせば。暮らしましょうよ」” “「ファーストキスが大西洋を渡る豪華客船の突端だったら、怖さが先に立って、キスのことはおぼえてないでしょ?」 「はい?」 「ハリカちゃんは生まれてはじめての鍋なんだよ。はじめてがみかん鍋ってことはないでしょ、はじめての鍋は校舎裏でいいの、階段の踊り場でいいの。過剰なロマンはいらないの。ですよね」 「美味しくないでしょ」 「みかん撤収!」”
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