
読書猫
@bookcat
2025年5月3日

anone 1
坂元裕二
読み終わった
(本文抜粋)
“「この世に生まれて来て、フリスクちょうど一個出すことさえできません」”
“「関係ないと思いますよ。愛された記憶なんかなくても、愛することはできると思いますよ」”
“「……わたし、持本さんにはじめて会った時、言いましたよね。死に場所探しましょうって」
「はい」
「あれ、間違ってました。わたし多分もう、半分向こう側にいるんです。半分向こうにいて、生きてる子供から愛されないから、死んだ子供のことを愛してるんです。そんな人間、駄目っていうか、まあ、駄目ですよね」”
“「生きなくたっていいじゃない。暮らせば。暮らしましょうよ」”
“「ファーストキスが大西洋を渡る豪華客船の突端だったら、怖さが先に立って、キスのことはおぼえてないでしょ?」
「はい?」
「ハリカちゃんは生まれてはじめての鍋なんだよ。はじめてがみかん鍋ってことはないでしょ、はじめての鍋は校舎裏でいいの、階段の踊り場でいいの。過剰なロマンはいらないの。ですよね」
「美味しくないでしょ」
「みかん撤収!」”
