モンスーンの世界

2件の記録
- いるかれもん@reads-dolphin2025年5月5日読み終わった学び!モンスーンの影響下にあるアジア地域(モンスーンアジア)の風土から経済的な発展、これからの持続可能性などについて、モンスーンの理学的メカニズムから社会経済的側面にまでまとめられた一冊。著者の安成先生のお名前は存じ上げていたが、ご著書を読んだのは初めて。よく一人の著者がここまで書けるなと思わされた。1章から4章までの前半では、アジアモンスーンのメカニズムについて気象学、気候システム科学的側面から(私にとってはとても)わかりやすくまとめられている。大学院で気候科学やっていたのにモンスーンについてあまりちゃんと勉強してこなかったなと痛感させられると同時に目から鱗、痒いところに手が届く明快な解説。「あ、そうやって考えればいいんだ」みたいなモンスーンに対して抱いていたモヤモヤが晴れていく快感を味わった。気象学とかに興味ある方は、ぶっちゃけ前半部分だけでも十分読む価値あると思う。後半は不慣れな分野だったけど、高校の時もっと地理の授業ちゃんと受けておけば良かったなと思わされた苦笑。そういえば家に安成先生が書いた教科書あったけどちゃんと通しで読まないまま院を出てしまった。次はそれを読みましょうかね。 細かいけど5章の生物圏との相互作用はびっくりした。植生ってあんなに水収支に影響するんだ…日本人の感覚だと、「大気中の水蒸気なんて海からでしょどうせ」とか思ってたけど、いやそうとも限らないのね