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いるかれもん
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@reads-dolphin
使い方悩み中。小説よりもノンフィクションやエッセイの方が読む割合としては多い。図書館で働いてます。 興味 : 自然科学、図書館情報学、ケア
  • 2025年5月19日
    気象予報と防災―予報官の道 (中公新書)
    個人的には痒い所に手が届く、とにかくいい本。気象学そのものというよりは、気象予報、もっと言えば、気象庁の予報業務、予報官の仕事について書かれた本。天気予報で聞くあんな言葉こんな言葉の背景、予報の難しさなどなど…. 著者の実感と思いがこもった一冊、少しエッセイっぽさもあるかも。 特に最終章は実際に著者が予報官として災害対応に直接当たった経験を交えながら気象庁が発表する警報、注意報のあり方などについて考察されていおり、読み応えがあった。 わたしはもともと気候システム科学を研究しており、気象学にも関心があった。ただ、それはあくまでも気象現象そのものの理解に興味があるだけであって防災への応用についてはさほど関心を持っていなかったけれど、関心を持った。 他に類書を読んだことがない一冊。
  • 2025年5月16日
    グラスホッパー (角川文庫)
    普段あまり読まないタイプの小説で、登場人物が多く最初は読みにくかったけど後半はとても楽しく読めた。読後の余韻がなんとも言えない心地よさ。
  • 2025年5月8日
    雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら
    東畑さんの本は「居るのは辛いよ」「ふつうの相談」の2冊を読んだけれど、そこで感じた東畑さんらしさをこの本でも感じた。この本の中で一番具体的な手法が書かれているのは4日目のおせっかいの方法だと思うけれど、心理学の本なのに、生活のお節介に大切にするのが東畑さんらしいのかなって思った。ある意味、心理学の本だと思って読んでいるとすこし期待はずれと感じるポイントでもあるかもしれないけれど、「難しいこと考えずにまずは普通のサポートをすればいい」と思うとそれはそれでなんか気が楽になる笑。 一方、そうした普通のサポートができる関係って今は限られているなとも思う。ネット上で色々な人と繋がることができるけれど、直接会わない限りそうした生活のサポートとかは難しい。直接会う関係って代え難いと改めて思った。 後半の読書案内もありがたいですね。 消化不良気味なところもあるのでまた読み返そうかな。
  • 2025年5月5日
    モンスーンの世界
    モンスーンの影響下にあるアジア地域(モンスーンアジア)の風土から経済的な発展、これからの持続可能性などについて、モンスーンの理学的メカニズムから社会経済的側面にまでまとめられた一冊。著者の安成先生のお名前は存じ上げていたが、ご著書を読んだのは初めて。よく一人の著者がここまで書けるなと思わされた。1章から4章までの前半では、アジアモンスーンのメカニズムについて気象学、気候システム科学的側面から(私にとってはとても)わかりやすくまとめられている。大学院で気候科学やっていたのにモンスーンについてあまりちゃんと勉強してこなかったなと痛感させられると同時に目から鱗、痒いところに手が届く明快な解説。「あ、そうやって考えればいいんだ」みたいなモンスーンに対して抱いていたモヤモヤが晴れていく快感を味わった。気象学とかに興味ある方は、ぶっちゃけ前半部分だけでも十分読む価値あると思う。後半は不慣れな分野だったけど、高校の時もっと地理の授業ちゃんと受けておけば良かったなと思わされた苦笑。そういえば家に安成先生が書いた教科書あったけどちゃんと通しで読まないまま院を出てしまった。次はそれを読みましょうかね。 細かいけど5章の生物圏との相互作用はびっくりした。植生ってあんなに水収支に影響するんだ…日本人の感覚だと、「大気中の水蒸気なんて海からでしょどうせ」とか思ってたけど、いやそうとも限らないのね
  • 2025年5月1日
    日本の公立図書館の所蔵
    タイトル通り、日本の公立図書館の蔵書の実態について量的に研究した成果がまとめられている一冊。多分他に類書はないのでは? 感想は、箇条書きですが… * 図書館の蔵書について、「需要」と「質」の2つの要素で考えるという観点を得られただけでも良かった。 * もっと統計をちゃんと勉強しよう * 一方、図書館情報学の量的研究手法に触れられて良かった。 * 昔からの出版社の本(というよりも岩波書店の本)が所蔵されやすいって面白かった * 著者も指摘している通り、出版社のブランドとかで選書するのはたしかにコストはかからないけどやっぱり図書館員が中身を見て選書すべきと思う。書評の活用はかのうせいがありそう(ただ、書評が新聞に載る書籍なんてごく一部であり効果は限定的?) * 内容は面白いけど、かなり専門家向けなので、もうすこしかみくだいて、かつ、図書館の選書のあり方についての議論を深めて新書みたいにして販売してほしいと思った。図書館に関する一般書はちょくちょくあるけど、図書館史かサービス方面の本が多い印象。図書館の根っこにある蔵書構築をメインテーマとした新書とか面白いと思うけどなぁ
  • 2025年4月27日
    夜明けのすべて
    夜明けのすべて
    随分前に購入して積読していた一冊。PMSを抱えた女性(美沙)と、パニック障害を抱えた男性(山添)の物語。共に最初は大企業で働いていたけれど、それぞれの病気が原因で退職し、栗田金属という小さな会社に勤めている。お互いの病気を知ってから距離を縮めて、支えあっていく話ではあるけれど、2人の関係性というか、距離感というか、助け合い方が、ちょっと不器用にも見える大胆さがあったりして(特に美沙が。いきなり山添の家に上がり込んで散髪をしたり、ちょっと強引で押し付けがましく見えなくもないけれど、でも、いそうな気もして可愛らしくも見える)、「いい関係」と思える。作中で大きな事件が起きるわけではないけれど、二人の交流が丁寧に描かれていて個人的に好きな作風だった。あと、栗田金属という会社の雰囲気がとても良い。こんな会社に勤めたい。映画もぜひ見たいですね。
  • 2025年4月24日
    ケアと編集
    ケアと編集
    愛読している「シリーズ ケアをひらく」を長らく編集していた、白石正明さん待望の著作。 新書ではあるけれど、白石さんが編集をしながら考えてきたことなどがエッセイ風に書かれている印象。 一冊を通して内容が構造化されているというよりも、少しフラフラと書かれている印象。また、カッコに囲まれてたまに話が脱線するところがまた、なんとなくケアをひらくっぽい。そして、読んでみると私がなぜケアに惹かれているのかよ〜くわかる笑。自分にとってしっくりくる言葉がたくさん。例えば… * 科学とはせいぜい因果関係が明確だという程度のこと、登場する変数が少ければ少ないほど際立ってくる、ある意味では閉じられた世界でこそ成立する営みである * 人はなにより環境とのインターフェイスによって行動するのだから、行動の根拠を個人の内面にだけ求める必要はないのではないか などなど。積極性、能動性、目的意識、タイムパフォーマンスなどの効率に迫られる今の世の中に追いつけない、どこか受け身な私にとっては、「それでもいいんじゃない?」と声をかけてくれるような一冊。やってくる素敵な偶然を受け止める余裕を持っていきたい。
  • 2025年4月20日
    情報検索の歴史
    う〜ん…期待してた本当は少し違っていて微妙。 本当に歴史を並べているという感じで、それを通してどんなことを伝えたいのかというメッセージというか、話の筋みたいなのが見えなかった。 あと、明確な間違いを一つ見つけてしまって若干萎えてしまった気もする。 通読するというよりも、資料的な使い方がいいかも。
  • 2025年4月18日
    中動態の世界
    中動態の世界
    補遺が加筆され文庫化されたということで、早速購入に読み返した。最初に読んだ時は、自分自身が感じている苦しみとか、世界に対する違和感を見事に解き明かされているような気がして、とにかく自分を救ってくれているという衝撃を伴う感動に飲み込まれた。その一方、今回は、前回同様の感動や面白さは感じつつも、前回よりも丁寧に読み進めることができたと思う。一つ一つのトピックを丁寧に自分の中に取り込みながら読み進めることができた。そうやって落ち着いて読んでみると、改めてこの本は素晴らしい一冊だと思った。文庫本になると、参考文献等含め500ページ以上になる結構長い本であるが、一つ一つの話題を丁寧に、しかし飽きさせない書き振りとなっている。おかげで哲学にも言語にも疎い私でも、何が大切なのかちゃんと受け止めながら読み進めることができた。スピノザ、アレント、ハイデッガー、バンウェニストなど名前だけは聞いたこと(もしくは名前も聞いたことがない)ある哲学者の著作を引用して論を展開しているが、実はそこで問題にされていることが、私たちにとても身近で、私たちの中で起きている問題についてであることを、わかりやすく伝えてくれている。 結局私がどうして中動態の世界に魅了されたのかというと、自分が感じている自分の作られ方が中動態では自然に語られているということだと思う。それは、自分自身が周囲の環境や関係性の中で決まっていて、さらには、周囲の環境と自分自身は相互作用しているという感覚である。その時、私自身は、自分が意志しなくても自然と変化しているように感じることがある。その証拠かもしれないが、私は自分自身の考えや気持ちについても、どこか第三者のことのように表現してしまう。自分の考えや、気持ちが、本当に自分が納得していることなのか自信を持てない。一貫してそれを主張し続けられるか自信がない。こうした私の態度は、側から見たら「考えがコロコロ変わる」とか「意志が弱い」みたいに評価されてしまう態度にも見える。自分自身も、自分自身がそうした人物のように思えて蔑んでいた。 おそらく本書を読まれた方であれば、どうして私がこの本に救われたのか、これ以上説明する必要はないと思う。本書で書かれている能動態-中動態の世界、意志という存在が生まれる前の世界は自分の私自身の捉え方を表現する上で非常に都合が良かった。自分を語る世界観が見つかるというのは非常に感動する。それは、自分自身の感じている寂しさは、私一人だけが感じているわけではないこと、そしてそれを救おうとしている人がいることを実感するからだろうか。はたまた、自分が心地よく過ごせる内面世界を手に入れるからだろうか。いずれにしても、やっぱりこの本に私は救われた。 一方、この本を読んでいて、まだまだ理解しきれない部分も多い。特に第8章、9章、補遺。ぜひまた、私が別の環境や関係性に身を置いて、別の私になった時に読み返したい。本を読むという行為もまた、私と相互作用し、私を変容させる環境の一つである。
  • 2025年4月14日
    情報アクセス技術入門
    情報アクセス技術入門
    あまりこういうIT系の技術書のレビューを投稿する場ではないかもしれないが記録のために… 学部生向けの入門書、ページ数も140ページ程度ということで、その道の専門家の人からしたら物足りないかもしれないけれど、素人の私からしたら知りたかったことをわかりやすく概観してくれて大変参考になった。自分が今後深めていきたいと思える分野も見定めることもできた気がする。図書館で借りてきたけどこれは購入を検討。 ちなみに私は図書館員ですが、現代の図書館というのはこういうIT技術に支えられているということも知ってほしい(著者の1人は図書館情報大学出身) というか、図書館とIT技術というのは古くから親和性が高い。
  • 2025年4月6日
    赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    もともと、話題になってるし、どうやら大学院での留学体験記らしいから読んでみようかなみたいなつもりで手に取ったけれど、世間の評判通り(あるいはそれ以上?)とても素敵なエッセイ。 研究の話がメインかと思ったらイギリスでの普段の生活の話、特に周囲の方々のお話が多い。そしてそれぞれの人がとても魅力的に描かれていて、自分の友達のようにも思えてくる。著者本人が周囲の人との関係を大切にしていることがよくわかる。また、皇族ならではのエピソードも交えているが、いい意味でサラッと、著者本人にとってはごく当たり前のように書かれていてそれも素敵。とにかく著者本人の飾らない人柄が溢れていて魅力的。そのように、著者の人柄が伝わっているからこそ、博士論文審査にまつわるエピソードについては、本人の葛藤や想いがぶつけられていて感動した。 エッセイならではの魅力が詰まっている一冊。誰に対しても自信を持っておすすめできる。
  • 2025年3月29日
    わたしたちが光の速さで進めないなら
    わたしたちが光の速さで進めないなら
    実は韓国文学も、SFにも馴染みが薄がったが、表紙に引かれたという単純な理由で読み始めた。が、しかし、1行として読み手の目を離さない心地よい緊張感のある文章で、作品世界に引きずり込まれたと思う。一つ一つの作品がまるで長編小説を一つ読んだくらいの読後感があった。毎朝通勤電車の中で一作品ずつ読んでいたけど、深呼吸をして、一杯のコーヒーを淹れ、一息つくような、そんな心を澄まされる感覚になっていた。この人の作品はずっと読み続けたい。文句なしで素晴らしい。
  • 2025年3月27日
    その後の不自由
    その後の不自由
    面白かったけど、タイミング的に今じゃなかったのかなって気がする。アルコール、薬物依存症の女性の支援についての本であり、女性特有の問題を多く扱っている。著者自身も薬物依存の経験を持つ当事者であり、当事者の目線から書かれた、依存症当事者の行動や悩みについての整理から、生理についてという女性特有の問題、体の不調について、そして、生き延びるためのキーワードなど、理論から実践まで幅広く扱っている。また、別のタイミングに読み直します。 ちなみに、表紙が素敵。 あと、「回復とは回復し続けること」のオリジナルを見つけられて良かった。
  • 2025年3月23日
    方丈記
    方丈記
    読むのは2回目。ただし今回は、方丈記 現代語訳と訳者のエッセイのみ。 ちょうど昨日飲み会で「世捨て人」「仙人」などと言われてしまった人間なので、こうした人生のままならなさを綴る文章には感動する。ただ、訳者のエッセイの中で、世捨て人になりながらも、俗世を気にしてしまう人間らしい部分が現代人の我々には感動すると書いてあり、これまた昨日の飲み会で自分が口走った「結婚とか、物欲とか、早くそういうものを諦めたい」という言葉が、自分に戻ってくる。捨てられないんだよね。
  • 2025年3月21日
    アルジャーノンに花束を新版
    アルジャーノンに花束を新版
    言わずと知れたSFの名作。手に入れてからしばらくの間本棚で大人しく積まれていたが、ネット上で交流のある皆さんに、「次に私が読む本はどれ?」と質問して、4冊のうちから本書が選ばれついに読み始めた。 読んだ感想としては面白かった。ただ、それ以上に何か語ろうとしても何も言えない。おそらく、知的障害を持った主人公チャーリーが人工的に知能を獲得していく一方で、周囲の人との間に軋轢が生まれる部分が最も心揺さぶられる部分に思うが、その内容を頭では理解できても、共感という形で取り込めなかったため、感情の大きな動きには繋がらなかったのかもなと思う。私自身、大学院での苦しく、孤独な研究生活の時に、「知性を磨いても私は幸せにはならない」ということは身をもって覚えたことだが、自身のその経験とこの本の内容が結びついた感じはしなかった。勉強のために本を読む時と同じような感覚から抜けられなかった。終始、頭では取り込めたけど、心で読めなかった。 また、致し方ないが冒頭の平仮名ばかりの部分は読みにくかった。(ただ、原初のこの部分を少し見たら興味深かった。また別の楽しみもできそう。) この本を読んでいる期間に自分で文章を書く時間も多く、そちらに気を取られてこの本に集中できていなかった、良さを引き出しきれなかったという反省が残る。しかし、経験上、このような本は2回目に読んだ時にとてつもなく感動する。私にはまだ読めていないこの本の魅力はあるはず。必ずいつか、読み取ってみせる。
  • 2025年3月9日
    論理的思考とは何か
    理工系分野出身から図書館に就職し、今まで触れてこなかった人文社会学系の論文を読んだり、他の職員とディスカッションをすることがある中で、自分が当たり前だと思っていた論理的な思考展開の方法が当たり前ではないと感じることがあり、そのモヤモヤを整理するヒントになるかなと思って手に取った一冊。また、最近、読む・書く・考えることについての本に興味があったことや、本書が話題作となっていることも読もうと思った理由だった。 自分が感じていた理工学系 / 人文社会学系の思考様式の違いがわかったというわけはないけれど、自分にとって当たり前で、「絶対的にいいもの」と思っていた論理的思考様式が決して唯一の方法ではないことがわかり、自分がよく使う思考様式を客観的に見直す機会となった。本書では、4カ国の作文教育で教えられる作文の型とその背景にある論理の型(経済領域(アメリカ)、政治領域(フランス)、法技術領域(イラン)、社会領域(日本))を取り上げて、それぞれ異なる中心的価値(目的)、主導的観点、推論の型などがあり、個々の文化的背景を持つことを指摘している。その上で、私たちはそのうちのどれか一つを絶対的な物とせず、議論の目的に合わせて多元的に4つの論理的思考を使いこなすことが重要であると主張している。 私が大学院で行なっていた研究では、問題となる自然現象のメカニズムについて仮説を立てて、数値実験を行い、仮説を検証するという論理展開であった。これは、アブダクションによる推論であり、論理展開としては、最初に主張を述べ、それを支持する材料を集めて正しさを証明するため「経済領域」の論理的思考に基づいていたと振り返る。しかし、この経済の理論は他の領域から見れば議論の余地がないといった、不完全さがあるように見える。本書の中でも主張されていることであるが、議論の目的を見定めて、その目的に合わせた思考様式を使えるようになることが大切なのだと思う。 ページ数は180ページと短く、後書きにも書かれているが、高校生からでも読めるように工夫されており、要点は表になっていたり、重要な記述は枠で囲まれているなど、主張をとても汲み取りやすかった。また、本の構成自体もとても明快で、1章で4つの領域を提示、2章で各領域の各論、3章では各領域から別の領域の論理を評価したときの違和感、終章では4つの理論を多元的に使いこなすことについて、終わりにに全体のまとめがなされている。話題作ということもあり、今なら書店でも手に入れやすいと思うのでご興味があればぜひ。 (補遺) あ、大事な要素を忘れていた。おそらく多元的思考は異なるバックグラウンドを持つ人と議論する時にも効果があるはず。他者の論理的思考に違和感を持つのはおそらく議論の時が一番多いだろうし。ただ、多元的思考ををどうやって相手と共有するかはまだまだ語られていない気もする
  • 2025年3月9日
    文化的コモンズ
    文化的コモンズ
  • 2025年3月8日
    文化的コモンズ
    文化的コモンズ
  • 2025年3月8日
    八月の銀の雪
    八月の銀の雪
  • 2025年3月8日
    あらゆることは今起こる
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