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いるかれもん
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@reads-dolphin
図書館員(サブジェクト・ライブラリアンぽい仕事の初心者) 教育、科学技術、自然科学(特に気象学、海洋物理学、気候システム科学を中心とした地球科学)、図書館情報学など 本の好み : 新書、エッセイ、小説などなど。興味があればなんでも読みますが、仕事関係の分野、上記関心分野の本が多めかもしれない。
  • 2026年7月9日
    信頼と不信の哲学入門
    信頼と不信の哲学入門
    結構難しくて正直あまり理解できていないけれど、「私たちが人々を信頼するのは、その相手が自分のコミットメントを果たすだろうとあてにする場合である」というのを読んだ瞬間に、自分が誰のことも信頼していないし、誰からも信頼されていない(なんなら自分も自分自身も信頼していない)理由がわかった気がする。他の人のレビューでも書かれているけれど、監訳者の解説がわかりやすいので、それを先に読んでもいいかもしれない。
  • 2026年7月6日
    世界の教育はどこへ向かうか
    「主体性」「探究」「コンピテンシー」などなど、教育分野で話題となる事柄について、国際的な動向を踏まえながら現在の課題を整理して、これからの在り方について示唆している。仕事の関係もあってとても勉強になったし面白かった。  まず、それぞれの話題について、概念の整理から始めてくれるのがとても嬉しい。というか、それが本書のメインであり、魅力だと思う。「主体性」とか「探究」は日本の教育業界においてもよく語られるキーワードになっているけれど、そもそも何を指しているのか曖昧なまま、理想だけが語られている印象があり、私自身ももやもやしていた。そこに対してOECDのレポートや、海外の教育研究で提唱されているモデルを導入して概念を整理している。「主体性」にしろ「探究」にしろ、段階があり、それが具体的にどういう段階なのかということが明確に示されていて素晴らしいと思った。今の日本のカリキュラムは途中の段階を無視して最初から一番レベルの高いところを目指そうとしている印象がある。そこに対してこういうモデルが広く共有されると、各学校のカリキュラムや授業のあり方も変わっていくのではないかなぁと感じた。このまま大学の講義の教科書にも使えるのではないかとさえ思う。  カリキュラム・オーバーロードについても示唆に富んでいた。前に読んだ青木栄一『文部科学省』でも、学習指導要領などについて理想論ばかり先行し、各業界からの要求を満遍なく取り入れた結果、教えるべき内容が増大しているという話があった。この本によるとそうした現象は海外でも起きていてカリキュラム・オーバーロードと呼ぶらしい。その中で、例えば金融リテラシーの国際比較をしてみると、金融教育のカリキュラムが充実している方がリテラシーが高いわけではなく、数学のリテラシーの高い上海が金融リテラシーも高いというデータが紹介されていた。その上で、あらゆるリテラシーを直接的に育成するのではなく、キーとなる能力を育てていくことが重要と書かれていた。こういう話は直観的にそうだよなぁと思っていたけれどデータがきちんと示されていて面白かった。こういうデータの積み重ねは将来を議論する上で大切だと思う。  まとめると、このまま大学の教科書にも使えそうな気がするくらい基本的な概念が丁寧に整理されていてとても勉強になった。機会があれば同じ著者の前著も読んでみたい。
  • 2026年6月29日
    愛なき世界(下)
    たしか最初に読んだのは就職する前の春だったので、約3年ぶりに読み返したけど、「え、この本こんなに面白かったっけ!?」って驚いてしまった(笑)。この本大好きだ。  前読んだときは自分がまだ(形だけだけど)大学院に所属していたから、同じく院生で主人公の本村さんにばかり気にしていた。就職して少しアカデミアから離れてから読んでみると、藤丸くんや、研究室の先輩たちの良さにも気がついた。すごいいい意味でみんな少しズレている。それぞれの人物(そして植物)がすごい魅力的に描かれていて、こんなに鮮やかで爽やかな小説ないんじゃないかな。変なTシャツを着る本村さんも、ずっとサボテンのことしか考えていない加藤くんも、整理整頓ができず、チャンバーのホースを出しっぱなしにして実験室を水浸しにするけど研究•教育は抜群な松田先生も、多分みんなズレている。でも、大学院のときのこと思い出すとめっちゃいそうだし、なんなら憧れていた(笑)。あと、藤丸くんはものすごい童貞感があって、タイミングも悪いんだけど、でも、料理には真摯に向き合い、実は植物を見る目も鋭くて、そして、なぜか本村さんをそっと助けるような言葉をかけられるところも素敵な人だなぁと思ってしまった。これは前読んだときにも思ったけれど、タイトルは『愛なき世界』だけれど、本当に愛おしい物語。  あと、下巻に、とんでもない研究上のミスに気がついた本村さんをみんなで飲みに連れ出す話があったけれど、私もほぼ同じ経験があったことを思い出した。普段みんな人間には興味ないのにそういうときは助けてくれるのよね、院生って(笑)。(飲みに行ったら、先生たちも飲んでいて結局ずっと先生たちの熱い話を聞いていたのも思い出である)
  • 2026年6月29日
    愛なき世界(上)
    感想は下巻にて
  • 2026年6月23日
    ゆっくり歩く
    ゆっくり歩く
    何冊か積んでいるものの読んだことのなかった小川公代さん。仕事が忙しい中で読み進めたので、せっかく読んだのにちゃんと理解できていないがする…残念。6章以降は結構頭に入った。東京で見つけたなんでもしてくれる介護施設を3ヶ月で出てしまった話が印象的。最後の方でも書かれているが、ケアしながらも本人のできることは任せるというバランス感、ケアする側からしたらある程度本人に任せる勇気(ネガティブケイパビリティ)が重要というのが印象的。そのうち親の介護もしなきゃだろうから、その時に読み返そう。著者の経験と知識が折り重なった、『ケアをひらく』らしい一冊だなと思った。あと、タイトル『ゆっくり歩く』ってのがいいですね。
  • 2026年6月17日
    日本政治と宗教団体
    日本政治と宗教団体
    創価学会、(旧)統一教会、神社本庁、立正佼成会についてそれぞれ70ページくらいで、教団の概要、歴史とともに政治との関係(支援実態など)の概要がまとめられている。そこそこ詳しく、でも、各章よくまとまっていて、個別の団体についてまず知りたいと思ったら読むといい一冊。著者が2人いて1人が大学の先生、もう1人は朝日新聞の記者。大学の先生が創価学会について書いて、記者さんがその他の章を書いているけれど、先生の書いた創価学会の章は若干難しかった印象。記者さんが書いたその他の章は読みやすかった。(記者さんの文章力ってすごいなって改めて思う。)ただ、(仕方ないのかもしれないけど)引用する新聞記事がことごとく朝日新聞で、朝日新聞のデータベースの検索結果から「この期間はこれについての記事はない」みたいな感じで書いてあるので、他の新聞も引いた方がいいような気はした。
  • 2026年6月14日
    わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か
    以前から知っている評判の一冊。新鮮で、私自身が感じていた違和感(言葉になるもの、ならないもの含め)に答えてくれていて、久しぶりにものすごい面白い本を読んだという気持ち。 言葉に関する議論が興味深かった。私たちが普段使っている言葉について改めて振り返り、国語教育とかで教わる規範的な言葉というものの違和感に迫っていく。その論の組み立て方とかが私の考え方とも近くて読みやすかったのかもしれない。(そうした日常的な言葉について議論しているので文章自体もとても読みやすくてお手本にしたいところ。)中でも、「冗長率」の話が面白かった。上手い話し方としてよく「え〜」とか「あ〜」みたいなフィラーや、余計なことは言わないという、「冗長性」を削ることが指導されるけど、でも、そうやって整えた言葉ってなんとなく不自然で受け付けないなぁと私はなんとなく思っていた。そこに対して、冗長性をコントロールすることが重要と書かれていて腑に落ちた。 また、さりげなく書かれていたけれど『人生は、辛く哀しいことばかりだけれど、ときに、このように美しい時間に回りあえる。普段は不定形で、つかみ所のない「学び」や「知性」が、あるときその円環を美しく閉じるときがある。その円環は、閉じたと思うさきから、またカタチを崩してはいくけれど。』(p.112)という言葉も私の経験や、感動と重なった。本当に自分の考えや価値観が変わるほどの感動というのは、「壊れる」感覚だと思う。それは哀しいことのように思えるかもしれないけれど、それまでの自分の積み重ねや信念(円環)を壊すからこそ、そこに立ち現れる新しい円環に絶対的ともいえる信頼や自信を持てるのだと思う。そういう経験を何回かしてきた。 ただ、読んでいると少し話題が古いかなと思ったり、「それは言いすぎでは…?」みたいに感じるところも多々あった。特に、機械が会話などのコンテキストを理解できないという話がたびたび登場していたけれど、ここら辺は大規模言語モデルの登場によって大きく議論が変わっていると思う。グローバリズム、多文化共生社会が一方向に進んでいくことも前提のように扱われている。この本の刊行は2012年ということですでに15年近く経過している。今改めて、この本の議論について振り返るような本を読んでみたい。
  • 2026年6月13日
    赤い月の香り
    『透明な夜の香り』の続き。前作同様に作中の雰囲気がとても好きだった。本編も面白かったけれど解説も面白かった。加害性というキーワードが出てきて納得した。「誰にも私の気持ちはわからないし、私が感じている世界を誰かに正確に伝えることもできない」って言葉にすごく共感した。
  • 2026年6月11日
    教育政策・行政の考え方
    教育政策・行政の考え方
    職場でおすすめの教科書として紹介されていたので読んでみた。最初の方にも書いてあったけれど、教育行政、法規について一通り勉強した人が読む教科書だったなという印象。かといって難しすぎてわからなかったわけではなく、少し背伸びして読み進めた気がする。実証研究の成果が多く盛り込まれているのが面白かった。教育支出について対GDPで国際比較する問題点とか、言われてみれば当たり前だけど気が付かなかった。最後の方に書かれていた「総合化/専門化」の話と、そこから最後に「専門知とは何か」という話が書かれていて面白かった。専門性を持って公のために仕事をしたいと思う人は多いかもしれないけれど、専門知というものが閉鎖的なものとして(非民主的)否定されがちなのはジレンマだよなぁと改めて思う。総じて、教育学の研究をしている人、これから研究をしようとしている人のために書かれたのかなと思った。教育法規の本一冊読んでから読み返してもいいかも
  • 2026年6月5日
    虎のたましい人魚の涙
    珍しく、人に勧められた一冊。久しぶりにエッセイを読んだ。通勤電車の中で、ぼんやりした頭でぼんやり読んでいたけど、それでもなんとなく読んでいられたから、ちょうどよかったんだと思う。何書いてあったのか細かく覚えていないけれど、スマホのメモには「多分私もキートン山田タイプだと思う」とだけ書かれている。多分そうなんだろうな。
  • 2026年5月31日
    歩くと心が軽くなるのはなぜか
    タイトルから想像するような散歩の心理的効果を専門的に解説しているというわけではなくて、なんとなく散歩をとっかかりにした心理エッセイという感じ。思っていたものとは違うけれど、そんなに長くないし、気軽に読めて良かった。著者が受験生のカウンセリングをよくしていたということで、受験期に役立つテクニックがたくさん載っているのが面白かった。あと、参考文献が丁寧に書かれているので読書案内としても良かった。
  • 2026年5月30日
    ゆっくり歩く
    ゆっくり歩く
  • 2026年5月26日
    沈むフランシス (新潮文庫 ま 67-2)
    松家仁之さんの建築以外をテーマにした作品を初めて読んだ。30代中盤の男女の恋愛って、少し前だったら自分にとってリアリティのないものだった気がするけれど、私も今年30になるからか、2人の際どい関係を妙に現実的に感じてしまった。 タイトルにもある「フランシス」の正体が意外だったのと、それをキーアイテムとして置く松家さんのセンスがいいなと思った。 終盤に書かれている「人はよくある話にこそ悩まされ、よくある話だからこそ、簡単にそこから脱することがかなわないのかもしれない」というのは、松家さんの言葉らしいなと思うのと同時に、「あぁ、そうだよな」とも思ってしまった。
  • 2026年5月26日
    歩くことの人類史
    歩くことの人類史
  • 2026年5月25日
    歩くという哲学
    歩くという哲学
  • 2026年5月25日
  • 2026年5月25日
    ウォークス
    ウォークス
  • 2026年5月24日
    総合英語be update
    一回英文法を復習したくて一から読み直してみたけど、あやふやになっていた部分とか「あーそうだった」みたいに復習できたり、コラムに書いてあることとか知らないことだったり、読み返して良かった。学び直し大切ですね。
  • 2026年5月16日
    イノベーションの科学
    イノベーションというのは創造的破壊であり、その名の通り新しいものが想像されるとともに、それによって破壊されるスキルもある。想像の恩恵は時間をかけて社会に広く広がっていくが、破壊される方は局所的に、しかも短時間で破壊される。そのためリスクが破壊される側はイノベーションに抵抗する場合もある。その上で、健全なイノベーション創出のためには、リスクの分散が必要というのが大筋。個人レベルでできる、リスク分散の方法としては自分が今持っているスキルとは異なるスキルを身につける、結婚して共働きにするなど言わればそうだよなという感じだったのだけれど、面白かったのは、今の自分のスキルを陳腐化するスキルを身につけるという点は確かになと思った。あと、自己責任の問題について取り上げていて、もともと責任とは「他者に対する責任」であったが、あるときから「結果としての責任」に変わっていたという話は、『中動態の世界』にも通じる話で面白かった。著者は使用していないが、「ケア」がこの本の裏テーマにもなっている気がする。イノベーションというのは経済発展のために必要である一方、ケアは経済とは相いれないようなイメージだった。しかし、健全なイノベーションを生み出すためにはリスキングとしてケアが必要というのが私なりのまとめ。イノベーションとケアが相補的な関係なんだなと新たな発見をした気分。あと、あとがきが面白かった。「イノベーションって幸せにつながるのですか?」という学生の疑問からこの本が生まれたらしい。学生の疑問に真摯に応え、本まで書いてしまった著者が素敵だと思う。
  • 2026年5月11日
    空、はてしない青 下
    空、はてしない青 下
    なんとも言えない切なさと、でも、どこか爽やかさと安心も感じるような感覚に浸っている。上巻がエミルが主人公で、そこに寄り添うミステリアスなジョアンヌという形だったけれど、下巻はジョアンヌの過去にもスポットライトが当たり、本格的に二人の運命がクロスして一つになっていったような気がする。エミルの病気が進行して、子どものように描かれ、そして死に近づく様子が克明に描かれていて切なかった。そしてなにより、エミルが亡くなる直前のジョアンヌの決断には、今までに感じたことのないようななんとも言えない切なさ、悲しみ、でも、喜びのようなものも感じた。いやぁ、またいい本見つけたなぁと思う。
    空、はてしない青 下
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