海が見える家 旅立ち

海が見える家 旅立ち
海が見える家 旅立ち
はらだみずき
小学館
2022年10月6日
1件の記録
  • 『海の見える家』シリーズの最終作。 ああ、これで文哉の父が房総に移り住んだ理由も、文哉が次に山を目指した理由もはっきりした。 文哉も凪子も大切な人を亡くした喪失感と最後の言葉が無意識の底まで沈みこんで、殻をつくってしまったのだろう。 だからこそ二人は打ち解け合い、自然な呼吸ができたんだろう。 二人が新しい場所を目指すことが、とりもなおさず古い殻を脱ぎ捨てることに繋がっていくんだろうな。 納得のいくシリーズ最終作だった。 はらだみずきさんの作品にふれると、毎日丁寧に過ごしたくなる。食べ物も資源も大切にしたくなる。 小学6年生の国語の教科書に、『海のいのち』という作品があるが、それに通じるものがある。海の恵みに感謝するだけでなく、父と同じものを追い求めることで、真に父を理解すると言う意味でも。
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