令和元年のテロリズム

4件の記録
- 読書記録@records2025年4月29日読んでるまだ読んでる第2章の元農林水産省事務次官長男殺害事件のところを読んだ。 家庭内で暴力をふるっていた息子を父親が殺した事件。(息子の暴力は中学2年生頃から始まり、大学進学を機に一旦家を出て、その後母親が所有する住宅で離れて暮らしていたが、事件の一週間ほど前に実家に戻ってきていた) その背景には川崎殺傷事件があったという導入から、父親と息子の情報を著者が丹念に調べている。 「息子も他人に危害を加えるかもしれない。周囲に迷惑をかけたくなかった」p.70 「英昭に同情や共感、尊敬の声が寄せられるのに対して、英一郎は被害者であるにも拘らず批判や揶揄の対象となっている」p.84(英昭=父親、英一郎=息子) 息子はゲームにのめり込んでいるツイ廃だったらしく、ネット上に残る痕跡や交流があった人物の証言から心情や人柄が垣間見える。 また、父親がTwitterや mixiに登録して息子とコミュニケーションをとっていたことや、息子が出展するコミケに来ていたこともあるらしく、父親の息子に関わろうとする努力も見えて、事件に発展してしまったことがとても悲しいと思った。 彼がやるべきだったのは、外部へ助けを求めることだと著者が書いていて、殺人を安易に仕方のなかったことだと肯定していない姿勢がよい。
- 読書記録@records2025年4月28日読み始めたまだ読んでる著者は音楽ライターらしい(知らなかったけど、文章上手いから読みやすい)。 改元の年に起こった凶悪犯罪を検証するということで、いくつかの事件が取り上げられている。 第1章の川崎殺傷事件のところを読んだ。 犯人は長期間引きこもりで、同居していた伯父夫婦とも関わりが希薄で、パソコンや携帯電話も持っていなかったそう。 ネット環境すらないのは、さすがに気が狂いそうだなと感じる。 「もうひとつ、川崎殺傷事件を語る際のキーワードとなったのが「一人で死ね」だ。テレビでは著名人から隆一に対して「死にたいなら一人で死んでくれよ」「自分一人で自分の命を絶てばすむこと」「死ぬのなら自分一人で死ねってことはしっかり教育すべき」「人間が生まれてくる中で不良品って何万個に1個、これはしょうがない。こういう人たちはいますから絶対数。もうその人たち同士でやりあってほしい」といった発言が相次ぐ。」p.59