

読書記録
@records
濫読派。いつか通読したいと思っている読みかけの本がたくさんある。
好きな小説家は松浦理英子、津村記久子。
大学時代の専攻は哲学で、人文系の本も好き。
- 2025年8月10日読み終わった中高生の頃の学校のグループ付き合いが息苦しくて苦痛で仕方なくて、高校卒業以降、私は人間関係をだいぶ降りている。 社会人になってからは特に、プライベートで会うのは自分から積極的に関わりたいと思った相手だけに限定して、とにかく人間関係を狭く狭くしてきた。 ストレスが減ってとても生きやすくなっているけど、それでもたまに世間一般の「降りていない側の人達」と自分を比べてしまう時があって、この本の内容が気になって読んでみた。 著者が一般的に考えると言いにくいような自分の経験も隠さず書いくれていて、気分がちょっと楽になった。 「社会が押しつけてくる生き方のアドバイスは、あなたのためを思って言われているものではなさそうだ。」p.179
- 2025年8月6日
- 2025年8月3日ミシンと金魚永井みみ読み終わった勢いに引っ張られて、最後まで一気に読んでしまった。壮絶だった。 認知症の主人公の視点から主人公が考えたことや喋ったことがそのまま口語で書かれている小説なのだけど、周囲の人間の言葉も主人公に聞こえたまま描写されているから、主人公がその意味を理解できていなかったり勘違いしたりしていても、読み手からすると周囲の人間の意図するところがわかる、という書き方がされている。(それと同時に主人公の心情もわかるから哀しくなる場面もある) 老いていろんな出来事を忘れてしまっても、忘れることができない人生での後悔と幸福について語られる。
- 2025年8月3日
- 2025年8月3日BRUTUS (ブルータス) 2025年 8/15号BRUTUS編集部ちょっと開いた買った読み始めた
- 2025年8月2日おいしそうな文学。群像編集部読み終わった読み始めた
- 2025年8月1日深夜特急1沢木耕太郎読み始めたまだ読んでる著者はインドのデリーからイギリスのロンドンまで乗り合いバスで行く旅をしようと日本を出たのだけど、《東京→デリー》の直行便ではなく、《東京→香港→バンコク→デリー》と目的地の途中の場所に立ち寄るチケットを選んだために、デリーに辿り着くまでに半年近く費やしてしまったみたい。 1巻は旅の序盤のエピソードが書かれている。 味わいとユーモアのある文章で読んでて面白い。
- 2025年7月29日
- 2025年7月26日読んでるまだ読んでる二章の途中まで読んだ。 「商品とはなにか」ということを考えるとき、そもそもなぜ値札を付ける必要があるのか?ということが問題になる 例えば社会全体が一つの共同体からなっている社会を想定してみた場合 ・社会全体で分業を行なって、それぞれの生産者が生産物を交換し合う ・人々は人格的紐帯を前提として(共同体の意志を前提として)生産するため、人々の労働ははじめから意味があるものとして共同体から認められている ↓ 共同体においては、生産物を交換するときに、値札をつけて値踏みする必要がない 資本主義社会においては、労働が私的におこなわれている ・私的労働は、それぞれの生産者が勝手に行う労働であるため、それが行われている時点では社会から必要なものと認められていない ・にもかかわらず、私的労働は社会的分業の一部を構成しなければならない(というジレンマがある) ↓ 労働生産物を商品として交換することによってこのジレンマを解決している ということらしい。資本主義社会では労働が私的に行われているけれども、人々が互いに無関係というわけではなく、他人の労働に依存して成り立っているから、こうなる(値札を付けて商品になる)らしい。
- 2025年7月22日鯨の岬河崎秋子読み終わった読んでる読み始めた表題作のみ読了。 鯨の死骸が爆発する動画を見たことがきっかけとなって、捕鯨を産業とする土地で暮らしていた子供時代のことを思い出した主人公が、忘れていた記憶を取り戻していく話。 孫がいる老齢の主婦の生活の疲れや苦しさ的なエピソードにはあまり入り込めなかったのだけど、鯨に関する描写や、主人公が列車に乗っている時に不意に窓から見えた農作業者を羨ましいと感じて「なんで自分はあっちじゃないんだろう」と思いを馳せたりする場面が印象的だった。
- 2025年7月19日読んでる読み始めた序章〜一章の途中まで読んだ。 労働というと私たちは賃労働を想像してしまうけど、まず賃労働という形態が特殊である、と書かれていてなるほどと思った。(そもそも貨幣がなかった時代もあるし、奴隷や農奴は賃労働していなかった。賃労働は、生活必需品の大部分が商品となることによってはじめて成立するようになった特殊な労働の仕方であるということ) そこから、労働一般の性格についてマルクスがどう考えていたかが書かれている。 大前提として、人間は自然の一部である。(人間もほかの有機体と同じように、たえず自然とやりとりすることによってしか生きられない) ↓ 人間は自然を摂取するだけでなく、自然に働きかけ、変形し利用する(衣服を作る、食料を栽培する、住居を作るなど) ↓ 人間に固有な自然との物質代謝の意識的媒介=労働 と考える、らしい。 自然との物質代謝の媒介はほかの生物にも見られるが(動物が自然を利用して巣を作るなど)、ほかの生物の場合はそれが本能的に行われるもので、人間の場合は意識的であるという点で区別できると説明されている。 そのへんはちょっと腑に落ちないなあと思いつつ、面白そうだからノートにメモとりながらじっくり読みたい本だなと思った。
- 2025年7月15日セカンド・チャンスアダム・フィリップス,スティーブン・グリーンブラット,河合祥一郎買った
- 2025年7月15日
- 2025年6月22日
- 2025年6月14日ヒカリ文集松浦理英子読んでるまだ読んでる「小滝朝奈」の章を読んだ。 経験人数が多く奔放に見えるタイプの朝奈がヒカリに恋をするまでは性欲を自覚していなかったことや、 中学以降同性とまともに接しておらず、誰とも同じような当たり障りのない話しかしていなかったことを、「影と影が喋っているようなものだった」p.157と書いているのが印象深い。 作中作として、劇団NTRの「壁越しの恋人」という作品が出てくる。 壁で囲まれた歓楽の街と、壁の外の堅実な街があって、壁の穴の補修の際に裂け目越しに出会った男女が恋に落ちるというストーリー。 元々、歓楽の街は伝染病のウイルスキャリアを隔離するためにつくられた地区で、街の外に出るのを禁じるかわりに娯楽を発展させたとか、そうした政策への批判があるとか、それぞれの街にはもう一方の街に憧れる人々がいるとかいう設定付き。 壁で隔てられた二つの世界があるっていう話自体は結構ありがち(?)なのかもしれないけど、松浦さんがこういう設定を考えて作中作として出してくるってことも含めて興味深いし、面白そうだから小説で読んでみたいなって思った。
- 2025年6月5日GOAT Summer 2025一穂ミチ,朝井リョウ,野崎まど読んでるまだ読んでる市川沙央「悪のロール」 ごきげんよう、ごきげんよう、でこれはもう「マリみて」のような世界やないか!と思いながら読み進めた。 中高一貫の名門女子校に、高等部から入学した主人公は、「〈悪のロール〉は禁止」という、各々が自分で何らかのロール(役柄)を決めて演じるというこの学校独自のゲームがあることを知る……。 ユーモア溢れてて面白く読めたのだけど、「悪」の小説にしてはかなり軽い内容だなと思った。 私は市川さんの『ハンチバック』は結構好きなんだけど、比べると作風が全然違うというか。純文学も書けるしライトめなのも書ける人なのか。
- 2025年6月4日GOAT Summer 2025一穂ミチ,朝井リョウ,野崎まど買った読み始めたぱらぱらページをめくってて気になった、 木爾チレン「あの子にしか行けない天国」を最初に読んだ。 医療技術の発達によって、新しい生き方と従来の生き方を選択できるようになった世界の物語。 若さの価値って何?寿命の価値って何?って考えてしまう内容だった。 特集「悪」だから、不穏そうな小説がいっぱい載っていて良い。分厚さに反して510円と安いのも良い(こんなに安くて大丈夫だろうか?と心配になるが) 他の作品も読んだら感想書く。
- 2025年6月4日平等について、いま話したいことトマ・ピケティ,マイケル・サンデル,岡本麻左子買った
- 2025年6月4日働くということ 「能力主義」を超えて勅使川原真衣買った
- 2025年5月31日ヒカリ文集松浦理英子読んでるまだ読んでる「鷹野 裕」「飛方雪実」の章(というか手記)を読んだ。 明るくて人から好かれ、もてなし上手であるヒカリの陰のある一面がいくつかのエピソードとして出てくる。 ・親との関係がよくなかったらしいこと ・好きな戯曲はテネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』 ・ヒカリが自分で考えてやる即興劇は陰性なものが多かった この小説を初めて読んだ時は、あまり丁寧な読み方をせずに1日か2日で読み切ってしまって、雪実の章が一番好きだな、というのが印象として残っていたんだけど、 今回改めて雪実の章を読んでみて好ましいと思ったのは、率直に心情を吐露しているような文章。 「どちらかと言えば傷があってほしい。傷のある人の方が傷のない人よりも他人を必要としていて濃密な関係が結べるから──と、まだ人間を大して知らなかった二十歳の私は単純に考えていた。」p.130 「ヒカリが『わたし、NTR辞めた方がいいのかな?』と呟いた時『そんな必要ないよ』と即答したのは、ヒカリと会えなくなるのがつらいというような気持ちからではなく、恰好をつけたのだった。自分をフェアで強い人間と見せかけたかった。」p.137 あと、雪実とヒカリが一緒に献血に行くエピソードで、「稀血(まれけつ)だったらいいな」と呟くヒカリの描写がかわいい。
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