スクールボーイ閣下(下)

2件の記録
- roiban@roiban2025年9月21日読み終わった良かった……。読み終えてから上巻の序盤を読み返してようやく意味が通った。下巻ではコウとソ連を結ぶ線を探るため、ウェスタビーがクメール・ルージュやベトナム戦争の戦地を転々とする。今でこそ歴史小説として読むことができるが、この作品の1977年の発表時はほとんど同時代の出来事だったわけで、国家間のぶつかり合いの中で一人の工作員が目撃したものと「使い潰され」ていく様を通して世に問うたものの重みは想像するにあまりある。主要な舞台である当時の香港の描写もまた良い。