人間へのはるかな旅 (1977年)

人間へのはるかな旅 (1977年)
人間へのはるかな旅 (1977年)
不明
2件の記録
  • ni
    ni
    @nininice
    2026年7月16日
    著者は七十年代の東京で、〈現代〉という時代が抱える問題について考え答えを見つけようとする。 現代社会への問題提起という現実的なテーマを掲げながら、その語り口はとてもユニークで面白く、あっという間に読み終えてしまった。この本のどれほどが実際の著者の経験で、どれほどがフィクションなのか全くわからない。後書きでも「(読者は)とまどうだろう」と書かれている。この数ヶ月で森本哲郎の本を何冊か読んできたが、わたしは彼の語る夢とうつつの曖昧さが好きで好きで、いつまでも読んでいたいと思う。 著者は現代社会の問題を考えるにあたり、「カリズマ氏」と呼ばれる老人に見解を仰ごうとする。この老人が、実在の人物なのかどうかよくわからないが、この存在の曖昧な老人を探すという目的がこの本のもう一つの主軸となって、ミステリー作品を読むように先へとページをめくる手が止まらなかった。 以下ランダムなメモ 登場人物の一人、探検部の大学生。サハラ砂漠に夢中で、トゥアレグ人、隊商、トンブクトゥの町、二ジュール河などの単語がでてくる。すっかりわたしも森本哲郎のサハラ砂漠の旅のファンなので、単語だけでもなんとも甘やかな気持ちが浮かんでくる。 「昔のシナの百科事典にのっていた動物の分類」 ・皇帝に属するもの ・防腐処理を施したもの ・乳呑みぶた ・人魚 ・架空のもの ・放し飼いの犬 ・気が狂ったようにあばれるもの ・数知れぬほど多いもの ・らくだの毛筆で描いたもの ・その他 ・いま壺をこわしたもの ・遠くからハエに見えるもの 七十年代の大きな問題 瞑想の欠如、事物の非秩序、技術の独走、情報の過剰、価値の衰弱、コトバの無力…… これらはどれも二〇二六年においても大きな問題のままであるように思う。今日より五十年も前、インターネットもスマートフォンもSNSもない七十年代は今とは大きく違う時代だったのだろうと想像していたが、この本で挙げられているこれらの問題の数々は、現代においても何一つ解決されていない、それどころか明らかに悪化の道を進んでいるのではないだろうか。 読み進めると、最後に夢のように美しい場面に行き着く。マラケシュのハッサン二世の離宮にある回廊と大理石のプールがある庭園。プールの縁にはイスラム風のモザイク細工、底にはトルコ石のようなタイルが敷かれている。水面に映る空。くつろぐ黒猫、そこでの導師のような人物たちとの静かな対話。 作品を通して著者は現代社会の抱える問題をどのようにして問うのか、どのようにして考え、どのように改善できるのか、などたくさんのヒントを残しているが、わたしはこのマラケシュのプールサイドでの時間こそがそのまま多くの問題の答えなのだと感じた。現実にそのような場に行きそのような人物と話すことではなく、自分自身の中でそのような時間を持つこと。物事をじっくり考えること。決して答えを急がないこと。 💭それはそうと、この著者は女性には全く興味ないのだろうか??これほど女性が登場しない作家も珍しいのでは?💭
  • Y子
    Y子
    @yomuko
    2025年5月10日
    仕事の話をしている時に母に薦められて読み始めました。なんの話でどんな理由だったか忘れてしまったので、読み進めながら思い出したい。
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