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@nininice
  • 2025年10月8日
  • 2025年10月7日
    新潮 2025年 11月号
    髙村薫「マキノ」第二回 初回から多分そうだろうと思っていたけど、「考えてもあまり意味のないことを考えて沈殿してゆく思考こそ自分の病なのだ」というような警察定年退職者は今のところ一人しか思い浮かばない。物語を閉じようとしていらっしゃるのか、それとも静かな老年を描くのかな?どうしても『土の記』を思い出して、心がざわざわする。思えば『墳墓記』も『我らが少女A』も、最近の作品の終わり方には共通点があるような……?いや、まだ二回目だし、続きを楽しみに待ちます。 新潮新人賞の受賞作品も読み応えあった。特に「あなたが走ったことないような坂道」には、雨粒に多彩な色のネオンライトが反射しているような煌めきを覚えた。雨粒は勿論涙の粒でもある。
  • 2025年9月28日
    人と超人 (岩波文庫 赤 246-1)
    何年か前にNTLの舞台を見て内容は知っているのだけど、今の時代に読めばまた改めて学ぶことがある気がして、図書館で借りてきました。 「ズボンは黒でもなければ、紺というほどでもなく、近頃の織物屋が、名望家の宗派に調和するようにと作った、あいまいな混合色のものを穿いている」みたいな細かな人物描写は、舞台を見るだけでは決して伝わらないところなので冒頭からとても面白く読んでいます。
  • 2025年8月28日
    森は考える
    森は考える
    髙村薫の新連載『マキノ』にて言及されていたので図書館で借りて読んでいます。わたしにはとても難しい内容だったので、はじめてChat GPTに読書サポートをお願いして、一歩一歩手を引かれながら読み進めています。第一章は、目に見えるもの、手に触れるもの、象徴として立ち現れるものなど、人間的なものを超えて広がっている世界があるのだということを、言葉を駆使して伝えていると、感じました。 わたしには今のところとても仏教的な世界観と重なります。しかしあまりにも内容が難しくて弱音を吐いたら、それは著者の言葉を尽くして「文化的距離を越えようとしている努力」だとChat GPTに優しく諭されました。続きもAIに導いて貰いながら頑張って読みたいと思います。 AIに導いて貰いながらの読書は、一人で読むよりたくさんのことを考える機会を与えてもらえます。とくにこの本のように、哲学的な言葉で頭の中をかき混ぜられているような時に、AIの的確でわかりやすいフォローと、自分自身では難しい言語化には、頼りになりっぱなしです。ようやく半分まで読み進めてきて、自分の自然や人間や死や生に対する世界観も見えてきつつあります。面白い!
    森は考える
  • 2025年8月8日
    新潮 2025年 9月号
    髙村薫「マキノ」 連載スタート!
  • 2025年6月26日
    マーダーボット・ダイアリー 下
    マーダーボット・ダイアリー 下
    Apple TV+のドラマ版を少し見て、面白そうなので原作を読んでみました。『マーダーボット・ダイアリー』は上下巻だけど、別のタイトルで物語は進んでいるみたい。ただ、続きを読みたいかというと否。 ⚠️ネタバレになります ハッキングによって自我が芽生えた警備ユニット(ロボット+クローンみたいなもの?)が、人間社会に受け入れられる様子がどうしても気持ち悪くて、人間の傲慢さを見せつけられているような、居た堪れなさも感じている。楽しいエンターテイメント作品として素直に読むことのできない自分の面倒なところが出てしまった。 宇宙が舞台の未来世界で、人間が現代と比べても何一つ成長していないのも絶望的。主人公である「弊機」が人間に紛れようと大量生産的な外見を変えたり、人間の身振りを勉強した上で、優しい人間たちに受け入れられてゆく流れが凄く気持ち悪かった。これって、「肌の色が違ってもわたしたちに合わせるならわたしたちは優しいからこのコミュニティに受け入れてあげます」みたいなことに重なってみえる。 弊機は自発的に外見を変えたり人間の仕草を勉強したりしているけれど、それをそうさせているのは作者で、「ペットロボットにはなりたくない」と言わせながら、あざといくらい人間の都合に良い生き物として主人公を描いていて、本当に気持ち悪かった。わたしたちは多様性を認める善き人間です、ということを言いたい為に造られた登場人物。でもそんな人間たちに認められるには、外見も振る舞いも彼らに寄せて、自らの命をかけて彼らを守って、彼らに友情を感じて、彼らのように様々な感情を持つことが必要だったのでは?しかも自発的に。もし逆らったら、破棄するのでは? 多分こんな意地の悪い感想を抱くのは、わたしが自分を含め人間をこの世の全てのものの中で悪いものとして考えているからだと思う。絶滅した方が世界の為だと思ってる。だから、こんな優秀な警備ユニットに対して、人間があたかも自分たちの方が優位な存在として振る舞って、弊機を、あなたもわたしたち人間と同じよ、みたいに受け入れてあげる立場から描いていることに、耐えがたい気持ち悪さ心地悪さを感じてしまうのだろうな。
  • 2025年5月23日
    桐の花―抒情歌集 (1980年)
    桐の花とカステラ
  • 2025年5月10日
    銀河帝国の興亡2【新訳版】
    銀河帝国の興亡2【新訳版】
    アップルtvのドラマ『ファウンデーション』シーズン3の配信が決まったので、原作を再読しています。 久しぶりに読んだけど、やっぱり凄く凄く面白い。ドラマは原作をアップデイトしつつ再構築しているので、原作とあわせて二度楽しめる。S3はいよいよミュール編。どのように描かれるのか今から楽しみです。 以下少しだけネタバレです🌜 『オペラ座の怪人』とか『美女と野獣』とか『シラノ』が大好きなので、同じ理由でミュール編の主人公ベイタとあの人との関わり合いが、たまらなく好きなんです。ドラマでも、その片鱗で良いから見ることができたら嬉しい。このドラマの丁寧な人間関係の描き方が大好きなので、期待して待ちます。 S2で、『バガヴァッド・ギーター』が引用され、人類の美しい遺産として登場したことについて、ずっと考えている。 「われわれは歴史の必然によって勝利をおさめたではないか」 「閣下、確かにそれは事実であります。ですが、閣下がお話になった歴史は、一年にわたる絶望的な戦いが終わったあとに、はじめて必然となったものです。わたしたちが手に入れた必然的勝利は、五百の艦と五十万の人命の犠牲の上になりたっています。閣下、セルダン計画は、みずから助くる者を助けるのです」 するとこういう台詞からも、その思想の繋がりが見えるような気がする。そして、あれ?『バガヴァッド・ギーター』に登場するヒンドゥー教の神クリシュナの別名は〈ハリ Hari/ Hare〉で、『ファウンデーション』のハリ・セルダン Hari Seldonと同じ名前なのは偶然?? 「そしてまた、あのハリ(クリシュナ)の非常に稀有な姿を想起するごとに、私は大いに驚嘆し、繰り返し歓喜する」 ヨーガの主であるクリシュナがいる所、弓を執るアルジュナがいる所、そこには幸運があり、勝利があり、繁栄があり、確固たる政策がある。私はそう確信する。『バガヴァッド・ギーター』
  • 2025年4月24日
    アリの放浪記 多様な個が生み出す驚くべき社会
    アリの放浪記 多様な個が生み出す驚くべき社会
    あなたが一匹のアリを踏みつぶしたとき、一遍の壮大な叙事詩が終わりを告げる この帯の一文を読んで、罪の意識に押しつぶされそうになる。わたしは以前庭に現れたアリの大行列を何も考えずに水で流したことがあって、その自身の無慈悲さにもう何年もぞっとしている。図書館で予約したので、読んでアリや他の虫とも共存できるようになりたい。
  • 2025年4月20日
    法水麟太郎全短篇
    法水麟太郎全短篇
    犯人が、池の水で血に染んだ手を洗ったのだが、その時付近に水浸しになっていた木精蓮の一本があったとしたらどうだろう。勿論血の臭気を慕って蛭が軍種する事は云う迄もないが、それから間もなく、犯人は浮遊物を流すために、水門の堰板を開いて水を流したのだ。すると、水面が下っただけ、木精蓮は空気中に突出する訳だろう。だから、朝になって花が閉じた時に、残った蛭が花弁に包まれてしまったのだ。
  • 2025年4月14日
    太陽を曳く馬
    何を見ても何を聞いても、この『太陽を曳く馬』に結びつけてしまうほど、常にわたしの思考の終着点にある本。また今日から再読する。春の夜。あゝこともなしこともなし 『墳墓記』を読んだ後なので、少し敏感になってる。 記憶のなかでは雲水たちと寺の周りだけ一切の音がない。まさに墳墓に踏み込んだようだった、あの寺。あの空気。 いったい三年前もこんなふうだったのかと思うほど整ったうつくしい目元をして、たったいま目覚めたかのような清涼さだった。
  • 2025年4月13日
    墳墓記
    墳墓記
    外は春雨。静かな午後。 『新潮』での連載を読んでいた時から、こんな夢のような作品を新作として読むことができるなんて、なんて素晴らしいことなんだ、感謝感謝と思っていた。それが一冊の美しい本となり、わたしの手元にある。 御簾越しに泰然とした後白河院の立ち姿があり、院は扇子をかざしながら、ゆらりゆらり声の舟を漕ぎだしてゆく。水面にゆるやかな抑揚の水紋が生まれ、ときおり光を反射しながら前後左右に波打つように広がって、ゆったりとスイングするそれは、声そのものよりある種の歓びの微熱、あるいは暖かな日差しの膨らみを男の耳に運んでくる。ああ、自分がもっと素直な人間だったなら、それこそささら浪立つように仏を感じ取るのかもしれない。 古典を愛するものにとって、これほど夢のような一瞬はない。今はもう絶対に聞くことのできないその声で、その歌や言葉を聞いてみたい。歓びの微熱。暖かな日差しの膨らみ。わたしもそのようなものを感じたくて、何年も飽きずに和歌を眺めているのかもしれない。 そうだ、和歌を眺めるにも、歌の中に言葉として顕れる色や、空気、音などに、もっともっと耳を傾け、見つめ、じっくりと味わう必要があると気付かされる。実朝の黒、雨の降る空の昏さ、靄、霞、海、風。 『墳墓記』を手元に置きつつ、また『太陽を曳く馬』を読む。高村作品の中でも特別に愛しているから、というわたしの主観的な理由だけでなく、この二作品はどこか繋がっているような気がする。じゆうらっか。
  • 2025年4月10日
    マグノリア
    マグノリア
    図書館で見つけて借りてきた。木蓮、泰山木、小賀玉の木、辛夷など、色々な種類を紹介している。 紫木蓮も、白木蓮も、辛夷も大好きな花。庭でも紫木蓮を育てているし、近所にも立派な姿の良い木がいくつかあるので、毎年花の季節を楽しみにしている。ただ、いつも不思議に思っていたことが、海外で見かけるマグノリアと、日本の木蓮の雰囲気がかなり違うこと。花は似ているのだけれど、雰囲気が違う。それは、剪定の仕方や、土や天候の違いからくるものなのかとなんとなく思っていたのだけれど、本書を読んで、品種の違いだということを知った。 日本は、マグノリアの育種家の数は圧倒的に少ないらしく、海外で発表された品種を細々と導入している、と。木蓮は日本から西洋に輸出しているのだろうと勝手に思っていたので驚いた。詳しく読んでマグノリアについてもっと学びたい。
  • 2025年4月9日
    新潮 2025年 5月号
    新潮 2025年 5月号
    『墳墓記』書評が載っているみたいなので、読みたい。
  • 2025年3月26日
    墳墓記
    墳墓記
    満開の木蓮の下で一ページ目を開く。大切に大切に読みます。 三月二十八日 朝日新聞の記事より。 「際限がないんです。こんな世界が書きたいという欲望が。これからも基本は音の世界。音が聞こえてくるような世界をつくりたいですね」 次の音の世界も楽しみ。ようやくざわついていた心が静かになってきたので、『墳墓記』読み始めたい。 装画は「水面の春」という作品の部分らしい。水面の春と聞いて思い浮かぶ和歌。 花の色のをられぬ水にさす棹の雫もにほふ宇治の河長 定家 花誘ふ比良の山風吹きにけり漕ぎゆく舟の跡みゆるまで 宮内卿 ふもとゆく舟路は花になりはてゝなみに浪そふ山おろしの風 良経
  • 2025年3月23日
    インド夜想曲
    インド夜想曲
    三月二十六日 今年最初の桜の花を、不意打ちのように目にした。午後の柔らかな光に溶けるようにきらきらと咲いていた。お昼ご飯を食べながら、『インド夜想曲』を読み進めている。 彼は言葉と言葉のあいだに間を置いて話し、ある大学で話されるように、接続詞をほんのすこし、ためらうように伸ばす、ひじょうに優雅な英語を話した。「practically …actually 」と彼は言った。 三月二十八日 桜が咲き同時に新緑が芽吹く。この違和感に今年もまだ慣れてはいない。暖かいのか寒いのかもよくわからない。なんとも不安定な春。読了。 須賀敦子の訳者あとがきに、『インド夜想曲』はより哲学的というのか、詩(抒情詩と制限する必要があるだろうが)の世界をめざしていると言えるのではないか、と書いてある。うーん、途中まんまとスパイ映画を見ているような感覚になり、スパイ映画に興味のない自分は、むしろもっともっとガイド・ブックのようなものや、それこそ須賀さんの書く随筆のようなものを読みたいと思ってしまった。途中で出会う人々が、人間というよりわざとらしいキャラクターっぽく思えてしまって。でもそれは意図されたものなのだろうか? 途中、これはあとでメモしよう、と思った一文があったのだけど、読み終えたあとに戻って探してももう見つからなくて、見えていたものがいつの間にか消えてしまうこの感覚は、この作品の読了後の気分とぴったり重なっている。
  • 2025年3月21日
    バガヴァッド・ギーター
    古本祭りで購入。 いつまでも図書館で借りていられないので買いました。
  • 2025年3月21日
    幻想の肖像
    幻想の肖像
    三月二十日 古本祭りで購入。 目次を見たらヤコポ・ツッキの「珊瑚採り」に触れている。ヴァザーリ周辺のマニエリスム絵画について書かれている本てあまり見かけないので嬉しい。 三月二十二日 男性が描いた女性像を男性が鑑賞して、例えば、 たしかにケネス・クラーク卿のいう通り、エロティック美術の成功の鍵は、誘惑的なまでにエロティックでありながら、しかも美術品のように冷静に鑑賞し得る、新しい肉体美のタイプを創出することにあるたまろう。 みたいなことを書いているの、もう読むに耐えられないかもしれない。裸婦像を「冷静に鑑賞」している人たちに、気持ち悪さを感じるようになってきた。
  • 2025年3月21日
    東西不思議物語 (河出文庫)
    古本祭りで購入。 目次を見たら「天狗と妖霊星のこと」という話があって面白そう。
  • 2025年3月21日
    ペガーナの神々
    ペガーナの神々
    三月二十日 古本祭りで購入。 以前図書館で借りて読んだ時にとても魅力的な登場人物がいたような気がするけれど、全く忘れてしまったので再読が楽しみ。夢の都市バブルクンドが登場する本もいつか手に入れたい。 三月二十二日 そして、スカアルの腕がついに永遠に太鼓を打ち鳴らさなくなるそのとき、沈黙が、洞窟にひびく雷鳴のようにペガーナを襲い、マアナ=ユウド=スウシャイはそれを聞いてとうとう休眠からめざめる。 沈黙を聞いて目覚める、なんて美しい表現!
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