毛皮を着たヴィーナス

3件の記録
- 無重力くらげ@NoGravityJelly2025年9月26日読み終わった@ 自宅ヒロインのヴァンダが魅力的だった。訳者のあとがきでも触れられていたが、彼女は最初から“女王さま”だったわけではなく、むしろごく普通の恋する若い女性だった。ところが恋の相手のセヴェリンに女王さまになることを求められ、それに応じた結果、セヴェリンを手酷くふる残酷な女王さまとなる。 私の印象では、ヴァンダはずっとセヴェリンの要求に応えていただけで、心からそうしたいと思って鞭を振ることはなかったように思えた。というか本の中でヴァンダ自らがそう言っている。つまり振り回されていたのは、セヴェリンではなくヴァンダだ。その点で彼女がかわいそうだった。 一方でセヴェリンにはあまり同情できなかった。ヴァンダが再三セヴェリンを止めていたにも関わらず、彼女を女王さまと祭りあげ、残酷に振る舞うように求める。散々自分を奴隷として扱うように言っておきながら、彼女が別の男性に取られそうになると、泣いて彼女をなじって自分がどれだけ苦しい思いをしたか訴える。いや、その苦しい思いはあんたが望んだことだろ。イライラしてしまって、彼がヴァンダとの出来事について学んだ教訓を披露していたが、ただの自業自得であるようにしか思えなかった。とはいえ、この辺は私の理解力が足りないだけなんだろうなぁ。
- 無重力くらげ@NoGravityJelly2025年9月14日読み始めた光文社古典新訳文庫の本を好んで買っていた頃に手にした本。たしか出版されてすぐ購入したので、3年前に迎えた本だと思う。買ったはいいものの、その時はすでにスマホ中毒になっていたので読まなかった。読書を再開して何冊か読破したが、ちょっとここらで変態を挟んでおこうと思い本棚から引っ張り出した。