無重力くらげ "毛皮を着たヴィーナス" 2025年9月26日

毛皮を着たヴィーナス
毛皮を着たヴィーナス
ザッハー・マゾッホ,
許光俊
ヒロインのヴァンダが魅力的だった。訳者のあとがきでも触れられていたが、彼女は最初から“女王さま”だったわけではなく、むしろごく普通の恋する若い女性だった。ところが恋の相手のセヴェリンに女王さまになることを求められ、それに応じた結果、セヴェリンを手酷くふる残酷な女王さまとなる。 私の印象では、ヴァンダはずっとセヴェリンの要求に応えていただけで、心からそうしたいと思って鞭を振ることはなかったように思えた。というか本の中でヴァンダ自らがそう言っている。つまり振り回されていたのは、セヴェリンではなくヴァンダだ。その点で彼女がかわいそうだった。 一方でセヴェリンにはあまり同情できなかった。ヴァンダが再三セヴェリンを止めていたにも関わらず、彼女を女王さまと祭りあげ、残酷に振る舞うように求める。散々自分を奴隷として扱うように言っておきながら、彼女が別の男性に取られそうになると、泣いて彼女をなじって自分がどれだけ苦しい思いをしたか訴える。いや、その苦しい思いはあんたが望んだことだろ。イライラしてしまって、彼がヴァンダとの出来事について学んだ教訓を披露していたが、ただの自業自得であるようにしか思えなかった。とはいえ、この辺は私の理解力が足りないだけなんだろうなぁ。
nornacum
nornacum
@nornacum
けっこう人を選ぶ本ですよね。普通の物語として読んだら、なんだか意味がよくわからない。恋愛小説なんだろうけれど性愛のシーンもないから、どういうジャンルの本として読むべきか、いまいちはっきりしない。全部セヴェリンの自業自得だと言えばその通りだと思います。 わたしは種村季弘訳で読んだんですけど。わたしももやもやしながら読んで、ああ、恋愛小説として読んだら駄目だなやつだって最後は思いました笑 そうだ、フォローありがとうございました! 嬉しかったです!
無重力くらげ
無重力くらげ
@NoGravityJelly
私も最初は恋愛小説なのかと思ってました笑。読み終わった後スッキリした読了感がなくて、解説を2、3回読んだり、Readsで他の方の感想読んだりしてなんとか飲み込んだ感じです。読んでいる最中もちょっと飽きちゃって、自分に向いてなかったのかなーと思いながら読んでました。おっしゃる通り、人を選ぶ本だと私も思います。 こちらこそフォローありがとうございます!nornacumさんの感想楽しみにしています☺️
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