＊読書で見つけた「読書（する人）」＊ 《まあ、ティリー。そうだったらどんなにいいかしら、と思うけれど、わたしたちは魔法使いでもなんでもないのよ。幸運にも、本や読書に自然にそなわっている魔法を使える力があるだけなの。その力はだれにでもあるものだけれど、わたしたちは、その力を少しだけじょうずに使うことができるのよ。けれど、魔法使いのように魔法をかけることはできない。おじいちゃんが靴箱をいくつもとっておくのをやめさせることができないのと同じようにね。》 — アナ・ジェームス作／池本尚美訳『ページズ書店の仲間たち１　ティリー・ページズと魔法の図書館』（2023年3月Kindle版、文響社）

両親がいない主人公は、書店を営む母方の祖父母と共に暮らしている。失踪した母親が子供の頃に愛読していた本を、主人公が見つけたところから物語は大きく動き出す。 ネタバレを避けて言うと、本の中の登場人物と友達になれたならどんなにいいだろうと思っている人向け。