買えない味
10件の記録
碧衣@aoi-honmimi2025年10月26日読み終わった炊きたてとは違う冷やご飯の美味しさ。野菜と肉を家で干して食べる。手入れしてきた黒漆の平椀からのぞく栗の年輪に喜びを見出す─。 日常の中にあるおいしさ。それは買えない味。 こういう丁寧な暮らしの本を読むと自分も何か取り入れてみたいと思うのだけど、お手入れ嫌いの使い捨て好き、そもそも物を増やすことが嫌いな私はほとんどを実践することなく終わるだろう。だけど、本書の中の写真をみているとちょっと良いお皿が欲しくなった。 個人的に88頁の「つい三月ほど前までは、台所の水に肌をさらすのが一瞬ためらわれたのに、くちなしの花が咲くころともなれば、蛇口をひねると手がよろこんで水を迎えにいく。」という一文が印象に残った。くちなしの花が咲くのは6月から7月というのをこの時まで知らなかった。こうやって植物で日常の四季を表現出来る人に憧れる。










