死期か、これが

2件の記録
- マイ(カルガモBOOKS)@karugamobooks2025年7月24日読み終わった文フリの「買った本」ポストの写真を見てジャケ買いした一冊。生と死の境目の「不思議」と「寂しさ」が入り混じった、ひんやりとした手触りの7作品。テーマと対照的な「生」の側に立つ個性的な登場人物たちの瑞々しい語り口が素晴らしい。お盆シーズンの読書に。
- 藤野ふじの@fujiponsai2025年6月3日読み終わった冒頭の作品のタイトルに「ただ観測する」とある通り、全編通じて「私」は観測している。職場の、学校の、友人や知人達を視線の先にとらえて描き出す。観測することは難しい。ここに描かれる人たちすべて、観測者である「私」が存在しなかったらきっと書かれることはなかったし、それどころか彼らの生きているその様子に気づく人はいなかったかもしれない。「私」が観測したからこそ書かれる人達が愛おしくなる。私のことを語る人が多い中で、これほど他者を鮮やかに優しく描き出す文章を久しぶり読めた。