Reads
Reads - 読書のSNS&記録アプリ
詳しく見る
藤野ふじの
藤野ふじの
藤野ふじの
@fujiponsai
  • 2025年11月24日
  • 2025年11月15日
  • 2025年11月14日
    理系の読み方
    理系の読み方
  • 2025年11月14日
    お供え (講談社文芸文庫)
    再読ですが、やっぱりすごい。どこに連れて行かれるのかわからないまま段々と日常に何かが浸透していく。表題作の「お供え」は、語り手の女性の意識が徐々に変容していく様が1行1行滲み出ている。 ある日、庭の門(カド)に花が置かれたことから始まる。人の家に何をするんだと、彼女は不快感をあらわにして対応策を考える。花は毎日置かれ、それがだんだんと……。 最後に彼女が「何」になったのか、人と話してみると解釈が分かれる面白さもある。 小説が書かれてのは昭和50年代頃のようなので、この頃の「家」が持つ強さや女性と「家」の関係性は今とは違う部分もあるのではないかと思うので、物語性だけでなく時代も絡めて考えてみたくなった。
  • 2025年10月27日
    随風(02)
    随風(02)
    オルタナ旧市街 不在の印象 読み進めててすぐ、絵画を眺めているような気持ちになった。見ることからで境界を探るような好奇心が、見ていない広場へと展開して行ったとき、ポールデルヴォーの絵を思い出した。描かれている人はいるけれど、誰も存在していないようなあの広場の絵。存在はするのに存在はしないあの場所へ吸い込まれないための、見て書く。見ることは自分がそこにいるという証として生きることへつながる。 本当に巻頭随筆からプロフィールまでどれも面白かった。プロフィールを読んだ後、あんまんが食べたくなった。
  • 2025年10月25日
    ギプス
    ギプス
    「ふつうに、って、なに?」 家族、友人、職場。同じ時間を共有していても、同じ物を見ているわけじゃないし、起きた出来事に対しての考えも違う。「当たり前のふつう」と言われることへの違和感と、その違和感に首を傾げられてしまう行き場のなさがすごかった。どこに行っても世界は変わらない、と思っていた朔子とあさひが自分で行き場所を見つけるラストは爽やかで、くるりと傘を回したくなる。
  • 2025年8月3日
  • 2025年8月3日
  • 2025年8月3日
    八王子怪談
    八王子怪談
  • 2025年7月14日
    踊れ、愛より痛いほうへ
  • 2025年7月12日
    文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学
    山本さん、こんにちは。宮﨑さん、こんにちは。からはじまる往復書簡形式の文芸評論。「文豪と犬と猫」というタイトルから、文豪秘話的なことを期待して読む人いるかもしれないが、その期待以上に文豪の、犬と猫にまつわるあれこれが満載だった。志賀直哉、やばいな……と思い、さっそくあまり読んでいなかった志賀直哉の本を読みたくなった。あと、文豪たちが互いの犬猫愛に、どん引きし合ってそうなのもいい(筆者ふたりの犬猫愛も文豪に負けずに深い)。 エピソードトークで終わらず、犬と猫に絡む文豪のエピソードから彼らの作品を改めて読み解いてくれるため読んだことのある作家の本も読みたくなった。奈良にもいきたくなる。沼。 ふたりの書簡は、文豪に呼ばれるようにどんどん深いところに降りていく。あとがきを読んでちゃんと戻ってこれたことに少しほっとする。
  • 2025年7月7日
    文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学
  • 2025年6月28日
    鳥の夢の場合
    鳥の夢の場合
    初読。まぶたの話から始まることによる内と外がわからなくなるような浮遊感。そばに流れていく音楽がふいに聞こえたりするような人の意識の合間を書いていくような小説だった。核となるものの周囲にあり人のままでは知覚されないようなことが循環するように流れていく。翻訳も、原文の作者と翻訳者の関係は内と外が逆転するような関係性だなと思うこともあり、スペインでの日本語の翻訳の挿話はくるりと世界が回る気がした。人の意識の合間には時間と場所と個体はない。人としてのかたさが解けていく50日の物語。
  • 2025年6月14日
    ホテルアジアの眠れない夜 (講談社文庫)
    1994年刊行のこの本では今と違う世界観や日本の立ち位置を感じられ、興味深い。
  • 2025年6月11日
    グヤバノ・ホリデー
    仕事で3ヶ月ほどフィリピンに住んでいたのにグヤバノにで会えなかったことが悔しいと思ったらサワーソップのことかと納得。 ただひたすらグヤバノの味を追いかけていく偏執的とも言える好奇心がPanpanya作品の持ち味で、作者に導かれて追ってみたくなる。 追求系ではやっぱり蒸しパンの話がたまらない。
  • 2025年6月11日
    PRIZE-プライズー
  • 2025年6月3日
    死期か、これが
    冒頭の作品のタイトルに「ただ観測する」とある通り、全編通じて「私」は観測している。職場の、学校の、友人や知人達を視線の先にとらえて描き出す。観測することは難しい。ここに描かれる人たちすべて、観測者である「私」が存在しなかったらきっと書かれることはなかったし、それどころか彼らの生きているその様子に気づく人はいなかったかもしれない。「私」が観測したからこそ書かれる人達が愛おしくなる。私のことを語る人が多い中で、これほど他者を鮮やかに優しく描き出す文章を久しぶり読めた。
  • 2025年5月26日
    未来図と蜘蛛の巣
    きれっきれの最後の一文は当然たまらないけど、そこに至るまでの思考と行動の流れが予測不能で面白すぎる。「椅子はいいね。物を考える余裕ができる」そうだね、と思えるけどそういうシチュエーションじゃないからもっと好きになる。戦う乾燥機かっこよい。
  • 2025年5月24日
    傷を愛せるか 増補新版
    右も左もない皮膚や腸も世界を感受して考えてるよね。右脳と左脳が混ざり合う。本当戦争の話にはオチなんてない。
  • 2025年5月23日
    片付かないふたり
    片付かないふたり
    「片付ける」ということはどういうことなのだろう。Role modelを作って働くことが推奨されたりすることもあるけれど、本作の主人公・憂は「奈々さんになりたい」と言い続ける。奈々さんのように仕事ができる、ではなくて「なりたい」。その根底にあるのが「責任をとる」ことへの怖さなのだと読み進めるうちに感じた。誰かになりきれば、その判断基準はすべて誰かのもので、自分のせいではない。自分自身を奥に押し込めてしまうだけでは、それは見えていないだけで片付くことにはならない。 偶然出会い、一緒に暮らすことになる「すずり」は、憂と真逆価値観を持つように見えるが……。言葉を交わしながら少しずつ変わっていく関係性が見事で、脇役もここでは書かれない物語が詰まっているんだろうと信じうる造形で、彼らの関係性が立体的になる(特にダイキ!!!) 最後の最後のふたりの関係性もすごく良かった。この終わり大好き。
読み込み中...