吸血鬼文学名作選
4件の記録
みつき@mitsuki_o2025年10月25日読み終わった借りてきた@ 電車須永朝彦に捧げられたアンソロジー。須永の手書き原稿『彼の最期』に始まり、彼の手による『小説ヴァン・ヘルシング』に終わる。収録された各作品がリンクしているのが楽しく、既読の作品も新鮮な気持ちで読めた。早く亡くした妻を思い続ける男の破滅を描く柴田錬三郎『吸血鬼』(pp125-152)、台湾を舞台にしているのがいかにも日影丈吉らしい『吸血鬼』(pp153-181)、いつまでも若いままの母娘の背後に戦争の傷跡がちらつく都筑道夫『夜あけの吸血鬼』(pp183-224)、愛らしすぎてむしろ吸血鬼側に感情移入してしまうテオフィール・ゴーチエ(芥川龍之介訳)『クラリモンド』(pp301-346)が印象に残る。


