右園死児報告

6件の記録
- トム@yukiyuki72025年1月28日読んでるホラー@ 自宅人名、動物、物、無機物、無形など関係なく「右園死児(うぞのしにこ)」と名前を付けてしまうと、その周辺で謎の異常事態が発生する。 異常事態とは行方不明、変死、失踪、殺害、人体の変貌、無機物の異常動作、説明のつかない現象などが挙げられる。 しかし「右園死児報告書」など、別の文字列と合わさって使用される分には異常事態は軽減されるらしいけど、完全ではない。 本自体は分厚いが1ページあたりの文字数は少なく、サクサクページをめくっていけるので、めちゃ読みやすい。 本書は「右園死児」に関連した異常事態の報告書という体系で記述されてるので、僕たち読者は、その報告書を時系列に沿って読み進めていく感じ。 「右園死児」は異常事態を指す概念かと思いきや、得体の知れない生物として人間に寄生し、思考や行動を乗っ取ることができると判明した。 「右園死児」は寄生生物でもあった。 ますます分からん。結局「右園死児」がなんなのかの説明のはなかった。 最初は、タイトルの「児」って単語から子どもが登場するホラーかなと思ったけど全く違ったし、日常に潜む系のリアルなホラーなやと思ったけどそれも違った。 想像していた方向性とは違ったけど、SFアクションだと思えば、刺さる部分もあるかもしれん。 続編を匂わせるラストだけど「続きが読みたい!」とはあまり思わなかったや。
- 大葉@ooba_babyleaf2025年1月14日読み終わったかつて読んだ右園死児という異常な現象に対する報告書の形式。前半と後半で雰囲気が全然違う。おれは前半の方が好きですが、雰囲気が違くとも書簡体(?)というだけでけっこう嬉しかった。 明確にSCPぽく、またミリタリー小説ぽい。軍隊というものにロマンティシズムを感じるなら向いている(そうじゃないなら鼻につくかも)といった所感。 後半で突然B級パニックホラーみたいになって困惑。初読時、後半の展開によって作品の唯一無二性が毀損されたような気がしたけど、後になって考えるとその展開こそがやりたかったことの核心なのかな、と思う。不気味で無機質な報告書が、人々の血と肉で書き連ねられた闘いの記録になるという。