信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス (新潮文庫)

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碧の書架@Vimy2026年2月8日読み終わった歴史フィクション@碧の書架何度目かの再読。私の中でベストオブ信長&光秀。 これは歴史小説ではなくて、壮大なオカルト、幻想怪奇小説です。 背表紙に書かれたあらすじは以下の通り。 1930年、ベルリン滞在中のアントナン・アルトーの前に現れた日本人青年は、ローマ皇帝ヘリオガバルスと信長の意外なつながりを彼に説いた。ふたりはともに暗黒の太陽神の申し子である。そして口伝によれば、信長は両性具有であった、と…。ナチ台頭期のベルリンと戦国時代の日本を舞台に、伝承に語られた信長の謎が次々と解き明かされて行く。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 バール神が渡来し牛頭天王となり、仏教やキリスト教と絡みながら、草薙剣などの神器が煌めき、不思議な力を持った石たちが輝く過去の話。同時に、詩人アルトーが書くヘリオガバルスと、とある日本人が語る信長の話が進行していき、途中からは石を探すドイツ人が彼らの話を聞きに現れます。 ムー的な話も大好きな私、この本が出た当時の厨二病と相まって、これ以上の信長&光秀に出会えませんwついでに秀吉の関係性もいい。皆魅力的で、美形揃いです。 たぶん、オカルト好きな方はあらすじでピンと来るのではないでしょうか。本書には少ししか登場しませんが、ナチスといえば、ですよね。 ただもしかすると、タイトルにもある通り、両性具有の部分は受け入れられる人とそうじゃない人がいるかな?謙信の最後も解釈が違うって方がいるかも。 私は本も映画も色恋シーンが邪魔に感じてしまって、田中芳樹さんくらいの感じが好きなのですが(笑)、この本の艶シーンは大丈夫です。色恋じゃなくて、魔術的な何かに見えます。でもここも無理な方は無理かも…wエログロではないと思うんですが、おどろおどろしい…かな? 毎回読む度に、発見があったり、自分の知識を再確認できたりする、オカルト要素が濃縮された凄まじい話なのですが、初めて読んだ時から20年経った今でもまだ分からない所があります。今回は2箇所…wいつか全部「あれね!」って思える日が来るんでしょうかw 文字の隙間から、闇の気配と艶がほのかに立ち昇ってくるような文章で、今回も没入して読み切ってしまいました。なんか綺麗なんですよ、艶やかというか。血まみれの話なのに。 歴史も好きなので、桶狭間や金色の髑髏、信玄の病没などの出来事が、作者の手にかかるとこうなるのか、と感嘆。敗者側も強くて魅力的に書かれているのがいいですね。 …全然魅力を伝えられていない気がしますが、オカルト好き、ファンタジックな歴史好きな方に読んで欲しいイチオシの作品です。

