冥土行進曲
4件の記録
じょるじゅ。@kameupaupa2026年9月11日読み終わった昨日購入したのに、またも夢中で読み進めてしまいました。 こちらは1977年に刊行された短編集『狂人は笑う』に、「冥土行進曲」を収録し、改題したものということで、初版発行は2023年になります。 個人的にはちょっとベタかもしれませんが、「爆弾太平記」にやはりグッときてしまいました。夢野久作作品の登場人物って不思議な魅力というか、引力があるんですよね。 解説にも書かれていましたが、本書収録作品も夢野久作作品の根底にある世間に対する怒りや皮肉がたっぷり込められておりました。 夢野久作のすごいところは、“どちらかに偏らないところ“だと思っています。対立する立場のどちらか一方から相手を非難するのではなく、どちらの立場にもある闇を描き出しているんですよね。 例えば、資本主義vs社会主義という対立構造であれば、一見社会主義批判の作品が多いように見えて、ちゃんと資本主義の問題を扱う作品もあります。その視野の広さと知識量の豊富さには、もう敬服するばかりです。 ちなみに今のところ、夢野久作作品を読んで精神に異常をきたすということはないのですが、1日1回は夢野久作作品…というか、夢野久作の文章に触れないと落ち着かない身体になってしまったので、そこはおかしくなっているとも言えるかもしれません。 これまで本は好きでも文学と縁遠かった私がここまで読み耽っているので、母もびっくりしています。 とはいえ、あまり作品数が多いわけではないので、それが少し寂しいところです。歴史や過去に「たられば」は禁物と言いますが、読めば読むほどに、先の大戦を経た夢野久作が紡ぎ出す世界を見てみたかったなぁとどうしても思わずにはいられなくなってしまいます。


