戦争するってどんなこと?

戦争するってどんなこと?
戦争するってどんなこと?
チャールズ・ダグラス・ラミス
平凡社
2014年7月9日
4件の記録
  • 句読点
    句読点
    @books_qutoten
    2025年9月13日
    タイトル通り、戦争についてさまざまな観点から、自分たちの生活に直結する問題として考えるとても良い本だった。以下読書メモ。 著者は1936年アメリカ生まれ。海兵隊にも3年間所属した経験があり、最後に赴任した沖縄基地をきっかけに日本に住むようになった方。津田塾大学で教授もしていた人。 アメリカ軍に従軍していた経験から、軍隊は「人を殺す訓練をする」という生々しい話から始まる。 イラク戦争の時にどんな風に人を殺していたか、戦争が終わった後も精神に異常をきたす人たち、ベトナム戦で脱走したり兵役拒否した人がかなりたくさんいたという話、第二次大戦以降、戦争では兵士よりも民間人の死者の方が多い話。生活環境も奪う話。 これらの話でまず、戦争が破滅的なことしかもたらさないことをしっかり共有した上で話が進む。 それでもなぜ戦争がなくならないのか、という話に進む。原始的な戦争は集団略奪のため。領土や資源、宗教対立、国家権力争い、軍需産業の存在に触れる。国連憲章では建前上戦争は禁止されてるが現実には戦争が起き続けているのは「自衛のため」。資本主義体制が生む不平等、格差もまた戦争の原因。 そこから、もし日本が戦争できる国になった場合にはどんなことが起こるかを説明。自民党改憲草案の危険性について詳しく触れている。国家権力により強い権力を持たせるような内容であり非常に危険。 戦争できる国になった場合、アメリカの戦争に巻き込まれる可能性が一番高い。「対テロ戦争」という終わりのない戦争。 戦争できる国になるということは、国内統治もやりやすくなるということ。徴兵制もしかれるだろうが良心的兵役拒否という方法もあるという話。 続いて沖縄の話。沖縄にありとあらゆる不平等を押し付けて「平和な日本」が成り立っている。琉球王国併合の時からずっと。日本にある米軍基地の74%が国土の0.6%の沖縄に集中。憲法9条と日米安保条約をどちらも望む矛盾。それを沖縄に負担を押し付けることで解決してきた戦後日本。 アメリカにとっても沖縄は非常においしい戦利品でみすみす手放したくない。 沖縄戦を19歳の時に経験し、沖縄県知事も務めた大田昌秀さんのインタビューが読めることもこの本の重要なところ。日本軍が住民を守るどころか死に追いやった現実。西田昌司や参政党神谷の歴史捏造発言に怒りしか沸かない。 米軍基地に経済的に依存している、だから米軍基地が存在するのも仕方ない、みたいな意見も、米軍基地がなくなって商業施設ができた時の事例を見れば、そっちの方がはるかに経済的効果が大きいということを知れたのも大きい。全部沖縄に返還したら良い。 そして最後は非暴力抵抗の可能性をさまざまな事例を紹介しながら探る。軍事力に頼るよりも遥かに効果が大きい。非暴力抵抗をするのはかなりの強い覚悟と粘り強さが必要で、武力に頼る方が簡単に思えるが、それでも非暴力に徹する覚悟を持てるかどうか。ガンジーの本を読みたくなった。
  • 瀧本緑
    瀧本緑
    @takimotogreen
    2025年7月22日
    入門完了
  • 瀧本緑
    瀧本緑
    @takimotogreen
    2025年7月13日
    かなーーりわかりやすい。
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