黄金の王 白銀の王
10件の記録
ぬ@tanu-nu2026年6月19日読み終わった@ 自宅水滸伝がクソ長いので、気になってたこちらを味変に読了。 とても面白かった……!!すごく面白かった!!久々に夢中になって読んだ。私好みの話だった。 翠という国で激しく憎み合う鳳穐(ほうしゅう)と旺厦(おうか)という二つの一族の若き頭領、穭(ひづち)と薫衣(くのえ)が、憎悪をぶつけ合う一族をひとつにするために長い長い闘いの日々を送るお話。と言ってもヒロイックな熱い友情などはなく、ふたりの王の心にのみ存在する決意は華々しくも劇的でもなく、ただ「なすべきことをなす」という静かなもの。穭は王という為政者として、薫衣は敗北した虜囚として、それぞれ孤独に闘い続けるんだけど、最終的にお互いのみがお互いの心を知る、ブロマンスと言ってもいいのでは?🤔という気持ちになった。ブロマンスというか、双方向のクソデカ信頼というか。 特に穭がすごく好きなキャラ造形でありました。聡明で理性的で冷徹ではあるが冷酷ではなく、天才肌の薫衣に嫉妬したり、思わぬ出来事に密かに狼狽したりといった人間らしい面も多くて、大変よき王だった。薫衣が存在するだけで他を圧倒するカリスマ武将なら、穭は凄まじい思考力と冷静さで先回りと根回しをして物事を未然におさめる政治家タイプって感じ。でも本人はいつも胃痛かかえてそうでかわいそうだったな……。 あと稲積(にお)と薫衣の夫婦が本当にかわいらしくて、薫衣に稲積がいてくれてよかったし、穭はずっと妹に甘くて、ずっと厳しい物語の中で稲積の存在が清涼剤だったな。 読んでると「なぜ鳳穐だから、旺厦だからという理由だけでそこまで憎み合うのじゃ……」という気持ちになるんだけど、現実の世界でも同じようなことは起きてるんだよな、という寒々しい気持ちにもなってしまった。排外主義はよくない。 しかし、とにかく人の名前が読みにくくて覚えにくかった。ほぼ全員読みにくかった。鶲(ひたき)とか鯷(ひしこ)とか鵤(いかる)とか霾(つちふる)とか。



なこ@nonbibiri752025年11月19日感想audible聴き終わった今まで読んだことあるファンタジーとは一味も二味も違う。聴き終えて数日経っても、この本のことばかり考えています。 -------------------- 翠の国では昔、王家に双子が生まれたことがありました。兄弟で王位継承を争い、二人の子孫もまたずっと内戦を繰り返し王位を奪い合ってきました。 現在の王である鳳穐(ほうしゅう)の櫓(ひずち)は、旺廈(おうか)の頭領である薫衣(くのえ)に、争いをやめて一つの系統に戻すよう持ち掛けます。 なすべきことはシンプル、だけど政や人の心は複雑で事はそう簡単にはいかず…。一族の意識が強いほど「相手を滅ぼせ」という呪いのような感情も強く、二人の若き頭領のなすべきことは周りにはほぼ理解されません。 大局が見えている為政者と、目先の内乱しか頭にない臣下の対比も鮮やか。ど派手な展開は特にありませんが、「心の柔らかいところを突く」ような誘惑はいくつも現れます。櫓が、薫衣がどう動くのか。大きな志をちゃんと達成できるのか聴き入ってしまいました。 櫓の視点から話が進むことが多く、心のうちや葛藤を知り、あまりの人間臭さに好感を持ち応援したくなります。吸収される側の過酷な環境に耐える薫衣は考えがあまり明かされず、ミステリアスでカリスマ性が光りました。 そしていつの間にかお互いだけがお互いの成してきたことを理解しているという不思議な絆は本当に尊いです。だからこそラストは泣く😭 とにかく心理状態が複雑で読み応えがありました。いや、むしろこの複雑さが醍醐味。ファンタジーって子供も楽しめるみたいな印象を受けがちですが、この本は違うと思います。大人のための素晴らしいファンタジーでした。 心を揺さぶられすぎて、聴き終えてしばらくは言葉にまとめられなくて、今もこの程度の感想しか書けなくて語彙力…🫠 家族への推薦度★★★★★ (夫の好みとは思えないけど、私が激推ししたい笑) 🤫 . . . . . . . ある種ネタバレなので詳しくは言えませんが、ざらっとしたハッピーエンドだと思いました。多分ずっと余韻を引いているのはそのせい。二人の人生に想いを馳せ、未だに心が翠から戻ってこられないです。










