息吹 (ハヤカワ文庫SF)

息吹 (ハヤカワ文庫SF)
息吹 (ハヤカワ文庫SF)
テッド・チャン
大森望
早川書房
2023年8月2日
22件の記録
  • noisebox
    noisebox
    @noisebox
    2026年8月14日
  • ナナミ
    ナナミ
    @nanami373
    2026年7月23日
    登場人物たちの右往左往に同調することで、現実に迫り来る不可避な変化に対処するための予行練習をできたような感じ。めくるめく科学技術の進歩にイマイチ理解が追いついていないので、物語がもっともらしく構築する緻密な空想世界と私たちの現実の見分けが、読んでいるうちにあやふやになっていく。物語の中の彼らに差し迫る選択や決断を、自分も迫られている感覚で一緒に考え込んでしまう不思議な没入感があった。 たとえば「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」に出てきた仮想ペットを責任をもって愛する主人公たちのグループを、私はどんな温度感の奇異な目で見るんだろうとか。たとえば「偽りのない事実、偽りのない気持ち」に出てきた語り手の懸念、「われわれは知的サイボーグと化し、何をまちがって思い出すことができなくなる」に同調して怖くなったりだとか。 つまりは、彼らと地続きの煩悶や、選択を迫られる転換点が、自分の身にもすぐ迫っているんじゃないかという、純粋な読者目線ではいられない生々しさを感じていた。チャッピーがこんなにもぬるっとみんなの生活に入り込んで、我々がちょっとずつ馬鹿になってる体感をまだ怖がってる今だからこそ生々しいんだと思う。私はまだ自分が日々馬鹿になっていくのを怖がってるけど、この馬鹿になるというのも前時代的感性による前時代的表現で、AIが組み込まれた人間の脳がデフォルト、それ込みで人間が考えられることと見做すようになれば、たぶんこの怖さも薄れてなくなっちゃうんだろう。 「偽りのない事実、偽りのない気持ち」が、掲載作の中で一番考えさせられた。冒頭から最高にクール。 娘のニコルがまだ幼かったころ、子どもに読み書きを教える必要はもうなくなるかもしれないと指摘するエッセイを読んだ。音声認識および音声合成が、まもなくそういう能力を不要にしてしまうだろうという。〜ニコルが声に出さずに言葉を思い浮かべると、網膜プロジェクターが視野にその言葉を表示し、ニコルはジェスチャーと目の動きを組み合わせて文章を編集する。実生活で必要になるどんな場面でも、ニコルは自在に書くことができる。しかし、補助してくれるソフトウェア抜きで、わたしがいまだにしつこく使いつづけているようなキーボードだけを与えると、ニコルは、たとえばこの一文に書かれている単語の多くを綴ることに苦労するだろう。 物語の主軸は、自分の生活すべてをたえまなく録画し続けるパーソナルカメラが記録するライフログと検索ツール「リメン」が、記憶してそれを思い出すという人間の機能そのものをジャックしていくことに対しての主人公の懸念。エピソード記憶は、百パーセント完全に、テクノロジーに仲介されたものになる。思い出すという意図すらなしに、すべてがあまりにも正確に参照できる世界に生きる私たちは、はたして本当に生きていると言えるのか。 忘れること、間違うことこそが、人間の人間らしさだというノスタルジーには、私も共感できる。記憶があやふやであることは救いと確かに思う。100%の真実は人が生きるために必ずしも有益じゃない。怒りを忘れるから許せるし、子ども時代の思い出は優しく美化されて私たちを楽しませる。確かに。確かにそうだよなあ。 人間は物語でできている。わたしたちの記憶は、生きてきた一秒一秒の公平中立な蓄積ではない。さまざまな瞬間を選びとり、それらの部品から組み立てた物語だ。だから、同じ出来事を経験しても、他人とまったく同じようにその経験を物語ることはない。さまざまな瞬間を選びとる基準は人それぞれで、各人の個性を反映している。 ここは膝を打った。選択基準と組み立てのセンスこそが個性という整理は、私がAI生成文章に現在のところ魅力を感じない理由な気がする(AI生成イラストに関してはジャッジの下地が自分になさすぎて普通にええやんと思う) そんな感じでメチャクチャ主人公に肩入れしてたから、最後の梯子の外しっぷりが鮮やかで手を叩いてしまった。梯子が外されたってより、なんというか、落とし所の設計がとてもフェアだと思った。作者の人が好きになるオチ。 他は「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」と「不安は自由のめまい」が面白かった。前者、本筋とは関係ないけど、人間がデータへ抱く愛着をある一定水準まで引き上げるためには、やっぱりガワって必要なんだなと思った。ロボを可愛がる才能とデータを愛する才能ってまた別だよな。だけどチャッピーにメンケアしてもらってる勢も身近にいるしなんかもうよくわかんないな。世界の変わるスピード、はやい。
  • 牛月
    牛月
    @ushi-tsuki23
    2026年7月7日
  • かもめ通信
    かもめ通信
    @kamome
    2026年7月7日
    早川のKindleセールで。
  • Maruthecat
    @Readforfun
    2026年5月9日
  • みね
    @mineki35
    2026年4月20日
  • 哲学的SFときいて
  • ちぇる
    ちぇる
    @kttm05
    2026年4月12日
  • りゆ
    @sally
    2026年3月7日
  • 向付
    @mkt
    2026年3月3日
  • 向付
    @mkt
    2026年3月1日
  • コノハズク
    コノハズク
    @yy708
    2026年1月10日
    ひとつひとつの作品が深い思考のもと、入念に作り上げられた緻密な絵画のよう。 物の見方や既定の認識についてに改めて見直させ、深く考えさせてくれる。 SFの部分だけではなく人の心も描いていて、とにかく凄い作品ばかり。 表題作の息吹も良かったけど、その他には、タイムトラベルを扱った「商人と錬金術の門」、神の信仰と科学を描いた「オムファロス」、ある分岐点で別れるパラレルワールドはなにをもたらすのかをテーマとした「不安は自由のめまい」が特に印象に残ったかな。
  • コノハズク
    コノハズク
    @yy708
    2026年1月5日
  • SFの世界での内省が深い。設定はシンプルだけど、その世界にいる人の悩みがすごくリアルだった。三体みたいな設定のダイナミックさは少ない代わりに、心の機微が細かくておもしろかった。
  • なべお
    @naveo
    2025年7月19日
  • momowalker
    @momowalker
    1900年1月1日
  • しゅう
    しゅう
    @shu_saginoya
    1900年1月1日
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