初めて人を殺す: 老日本兵の戦争論 (岩波現代文庫 社会 105)

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ユウキ@sonidori7772025年10月18日読み終わった借りてきた十五年戦争で従軍し、中国人捕虜を虐殺した著者による回顧録。捕虜を殺すまでのいきさつと、戦友との交流、それらの体験を通して自分と戦争について見つめ直して行く。 中でも慰安所での「恋愛」体験を振り返りながら戦後の従軍慰安婦たちの訴えにショックを受けつつ、自分たち兵士も侵略戦争の罠に嵌められた奴隷だったのではないか、という認識が興味深い。それぞれの立場から見る「戦時」、特に性暴力における溝の広がりをあらためて目の当たりにする。 著者が認める大日本帝国というバックがあるから犯せた虐殺や強姦、戦争犯罪における「愉楽」の部分は、確かに加害性を認識する上でも戦争の一部分であると直視しないといけないと思った。





