機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上
3件の記録
tsubaki_fuyunohana@tsubaki_20252026年5月30日読み終わった上下巻読了。 一作目も面白かったけど、本作はさらに叙情味が加わって、小説としての読み応えが増し増しに。 ライザの過去編、映画のように情景が展開される。とんでもない筆力ですな。 さらにはバッハの音楽の描写もとんでもなく効果的にストーリーを誘引する。前半はG線上のアリアの旋律が流れる中で、斬新で残酷なテロリズムがベルファストやロンドンで炸裂し、後半では日本の都市の景観の中で不気味に展開する陰謀と暴力に、クラヴィーア平均律が悲しげに寄り添っていく……こんなに要素がたっぷりなのに過剰に感じないとは、卓越したストーリーテリングの才能ゆえでしょう。 それ以外にも重要な人物やセリフが、双子のように組み合わされて絡み合って配置されていくことで、遠いベルファストと日本が糾える縄のように読者の目の前に現前する。ミリーと緑という二人の妹、詩集の魔力と旅のエッセイの魅力、キリアンと沖津の悪魔性……見事過ぎます…… 面白い、興味深い、価値がある本は普段も読みますが、読みながらここまでわくわくどきどきする本、いつぶりだろう? 次作もすぐに読まなくちゃ。
