北條民雄全集 下

3件の記録
つばめ@swallow32025年8月2日読み終わったまた読みたい"一度死んだらもう二度と生きかえることはないということ、このことを心の底から感じて下さい。そうすれば、生きているということは、決してそんなに空虚なものではなくなるかも知れません。" "例えば新聞で殺人事件や自殺の記事を読んでも、自分がそうしたことの当事者になることがあろうとは誰も考えぬであろう。なんとなく自分とは別な種類の人間がすることのように思うのが普通である。しかし別な種類の人間などどこにもいはしないのである。" "お前は知っている筈だ、死ねば生きてはいないということを!" "今年もまた栗を食うーこのことが何ものにもまさった喜びとなって心を温めてくれる。これが人生の幸福というものである。何年か経って、その時には多分盲目になっているであろう自分が、杖をたよりに道を歩きながらふと今日の栗を思い出したとしたら、あああの時はまだ眼も見えた、あの栗の滑らかな茶色の肌を眺めたものだ、と思わず杖をとめて懐旧の念にうたれることであろう。"






つばめ@swallow32025年7月23日読んでる"けれど自分には神もない。善事を行おうとする気持もない。気持はひねくれて不正直で不純だ。唯あるものは底の知れぬ絶望と、懐疑だけだ。生きることの重荷に堪えかねて、さりとてその重荷を打っちゃることも出来ぬままに、蒼白な面つきで周囲を睨みつけてひょろひょろと歩いている、その姿が自分なのだ。"









