花腐し

花腐し
花腐し
松浦寿輝
講談社
2005年6月15日
3件の記録
  • 彼女を思い出すのはいつも雨の日だ。 「どうしてあなただけそんなに濡れているの」。 共に傘を差したはずなのに、ずぶ濡れな栩谷を見て、祥子はそういった。十数年前、彼女は海で死んだ。 デザイン会社の首が回らなくなり、立ち退きの仕事を引き受けた栩谷(くたに)。共に社を立ち上げた友人は失踪した。栩谷は伊関という怪しい男の部屋を訪ねる。すると、どういう訳か、伊関と酒を酌み交わすことになる。部屋にはマジックマッシュルームで飛ぶアスカというキャバ嬢が1人。外の居酒屋で栩谷は伊関と酒を再び酌み交わす。そして、酩酊した状態で伊関の家に戻ると、アスカらしき女と一心不乱に交わる。どこまでも落ちていく栩谷。脳内で様々な思考が流れる。そんな栩谷が行き着いた思考は、自分をずっと許し続けてくれていた祥子の姿だった。
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