小説智恵子抄 (角川文庫 緑 45-5)

7件の記録
松本真波@_mm1771772026年1月13日読み終わった読書日記@ 自宅作者は最初に「あくまでフィクションですよ」と書いてはいるが、巻末にある解説を読むとどうやら光太郎智恵子の人物像はかなり本物に近いようで。「『智恵子抄』を読むのなら、まずはこの本を読むべき」と以前人からアドバイスを貰ったのだが大いに頷ける。 まるで天上の愛を地上に実現したかのような二人の生活を、佐藤春夫が優しく丁寧な文章で描写していく。時には光太郎の詩が挿入される為、その詩の言葉がより立体的に立ち上がってくる。詩を普段読まない私でもその背景に触れると、詩の言葉一つ一つをじっくり味わうことができた。 それによって、『智恵子抄』がただの悲しみ溢れる詩集ではない事に気が付いた。あれは光太郎が悲嘆を綴ったものではなく、きっと「愛の讃歌」を綴ったものなのだろうと思う。 けれども一方で、彼らの生活を美談にして良いものか女性として少し気になる所はある。(智恵子は光太郎と一緒で確かに幸福であったのだろうが、あの困窮生活が彼女の精神病を招いた気もしないでもない)
松本真波@_mm1771772026年1月11日読んでる読書日記@ 自宅第二章に入り、光太郎智恵子の結婚生活が始まった。この時が光太郎に取っての幸せの絶頂期であろう。彼らの困窮生活は決して楽なものではないが、「二人一緒にいられる」この事実だけで彼らは生きる力がその肉体に湧いてくるようで。 生活苦に悩まされながらも楽しそうに暮らす二人を、もうしばらく温かな目で見守りながら読み進める。

松本真波@_mm1771772026年1月7日読んでる読書日記@ 自宅光太郎と智恵子の初めての会見。側から見ていると焦ったいが可愛らしい二人である。光太郎の友人・椿英介が言った光太郎の人柄を表す「樫の薪」というのが面白い。 「もどかしくじれったいが燃えつけばけっして消えぬ火力は旺盛に、燠になってからもりっぱな炭になるのさ」 正しくこの言葉通り、この後光太郎は智恵子に深く惚れ込む訳で。

松本真波@_mm1771772026年1月7日読んでる読書日記@ 自宅そうか。後の「亡き人に」で出てくるグロキシニアは、智恵子が初めて光太郎の新しいアトリエに訪問する時に持ってきた花だったのか。華奢な体で一生懸命に団子坂を登って。自分で運ばなければお祝いの心が届かない、という志がなんとも可愛らしい。光太郎、内心どんなに嬉しかっただろうか。

松本真波@_mm1771772025年11月28日買った高村光太郎の『智恵子抄』は読んだ事はあったが、光太郎・智恵子の物語を佐藤春夫が書いていたとは知らなかった。 人から「『智恵子抄』を読むのなら、絶対に佐藤春夫の小説を読んだ方がいい」と薦められたので購入。光太郎の詩は、悲しげに儚く読むのが必ずしも正解ではない。まずはよく二人の事を、幸せの絶頂期があった事を理解しておくべきだとのこと。 小説としても素晴らしいと評判なので、読むのが楽しみ。

さよ子@syk___ily2025年8月12日読み終わった5年ぶりに読了。佐藤春夫って美文家だ……。 エロスとフィリアを芸術というフィルターを通して光太郎は智恵子を見つめている。 猛り狂う性欲、追い求める肉体、赤裸々な愛の物語が見事に佐藤の手によって描かれている。 読み返して良かった。





