善意と悪意の英文学史

善意と悪意の英文学史
善意と悪意の英文学史
阿部公彦
東京大学出版会
2015年9月1日
3件の記録
  • なんとなく「いまだな」と感じて読み始める。志津勤務を終えてそのまま中井の伊野尾書店へ。落合駅から歩くことにして、思ったよりも早く辿り着き、思ったよりも、というより記憶のなかの伊野尾書店より明確に小さいお店を見つける。お店のサイズは変わっていないので、私が大きくなったのだろう。 ちょうど伊野尾さんはいなくて、店内を(もうどうやっても外せない眼鏡となってしまった)同業者の目線で物色していると、配達帰りらしい伊野尾さんが戻ってくる。事務的な連絡事項をスタッフに伝えているので挨拶はせずに待っていたら、客注品の本が破れた状態で入荷したため返品の手続きをしないとならない状況になり、そのうちどうもこれから来客があるらしく、こういうドタバタしているときにされる挨拶は面倒ということを知っている同業者の私は、吉岡乾『ゲは言語学のゲ』(講談社)を買って退店。どうも私はいま「言葉の使い方」に意識があるらしい。 『善意と悪意の英文学史』は「社交」に関する本とも言えて、そりの合わない人もいる環境のなかでどのように振る舞うか、そして言葉を発するか、さらには自分の内側にある「善意」を他者にどう伝えるか、というテーマと響きあう。私が店内を同業者の目で彷徨いているのを伊野尾さんは気がついていて(数年ぶりだが何度か会っているし、マリーンズの試合を観に行ったこともある)、こいつはどうして話しかけてこないのだと思っていたかもしれない。つまり私の善意は届いていなかった可能性もある。 そのまま帰るのももったいないので中井駅前をふらつき、初めて伊野尾書店に来たときに伊野尾さんと入った気がする喫茶店を見つけて、本を読んでいる。喫煙可能なため、店員は灰皿を持ってきた。私は非喫煙者なので「いらないです」と答えた。ならばどうして喫煙可の、しかも煙がモクモクしている奥のほうに?と店員は思ったかもしれない。私は単に伊野尾さんと入ったかもしれないお店の雰囲気を味わいたかっただけなのだけど、そして伊野尾さんは喫煙者だったのか、違うような気がしてきて、きっとあのときこの店には入っていないのではないか、と思い、そろそろ閉店となるらしき店内のジトっとした空気を感じている。
  • 駒込まで歩いて青カバに。こちらも久しぶり。うず高く積まれた古本の山の向こうに値段付けを黙々としている小国さんが見える。1時間くらい気づかれないようにじっくり棚を見て、いちばんヘンテコに思えた本を持っていった。何度かすれ違ってたけど小国さんは気がついてなくて、驚きの様子。私はけっこう人が悪い。今度は最近始めた無人店舗にも行きたい。
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