帝国陸軍ーデモクラシーとの相剋

帝国陸軍ーデモクラシーとの相剋
帝国陸軍ーデモクラシーとの相剋
高杉洋平
髙杉洋平
中央公論新社
2025年7月23日
4件の記録
  • youy
    @youy
    2026年1月24日
  • 山崎 怜
    山崎 怜
    @leona_007
    2026年1月18日
  • Takahiro Hirano
    Takahiro Hirano
    @taka_164
    2025年8月24日
    猪瀬直樹さんの『昭和16年夏の敗戦』をベースにしたNHKのドラマ「シミュレーション」を観て、陸軍に関心を持ち、本書を手に取った。 なぜ関心を持ったのか。それはドラマで陸軍(特に、東條英機)の逡巡が描かれていたからだ。日米戦争に突き進んだ理由として陸軍の暴走が指摘されることが多く、そして、それは事実なのだが、かといって、陸軍に全ての責任を帰すわけにもいかないし、なぜ「暴走」したのかを問うことには意味があるだろう。一見すると不合理に見えるようなことであっても、当事者からすれば、合理的な場合もある。その視点変更がなければ、教訓を得ることができない。 たとえば、陸軍が「精神主義」に傾いた理由を本書の著者は以下のように説明する。つまり、第一次世界大戦を経て、軍隊の近代化が急務となった。一方で、大正デモクラシーや、経済不況などを背景に、軍隊に対する忌避感や、予算制約があった。その中で取りうる選択肢として、精神主義があったということだ。 後世の視点から見れば、「それでは解決になっていないのでは?」と感じてしまうが、とはいえ、その発想に流れてしまうことを理解できないわけではない。そのようにして、本書を読むことで、少しずつ「暴走」の内実が理解できるようになる。 さらに、最後の章において、陸軍、議会、国民、アメリカの過誤が整理される。あれだけの戦禍を引き起こした背景に、特定の誰かの一つの過誤があるわけではない。様々なアクターが様々な過誤を重ねなければ、あのような甚大な被害には至らないだろう。言われてみると、とても腹落ちする考え方ではあるが、特定の原因を求めてしまっていることに気がついた。歴史を検証するとはこういうことなのだ、ということを鋭く実感することができる一冊だった。
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