川端康成 三島由紀夫 往復書簡

3件の記録
- -ゞ-@bunkobonsuki2025年6月10日三島由紀夫といえば、装飾された文体とマッチョイズムの思想で有名な作家だ。 ところが、川端康成と交わした書簡の数々では平易かつお淑やかな印象さえ受ける文章を著している。 驚くべきことに、このプライベートなやり取りで彼は太宰治の「斜陽」を高く評価しているのだ。「見事な芸術的完成が予見されます」とすら書いている。公に太宰を攻撃していた三島由紀夫の姿からは想像もつかない。 この書簡集からは、三島由紀夫というベールに包まれた平岡公威の姿、あるいは平岡公威から三島由紀夫に変貌する過程が示されていると感じた。