生物進化を考える

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高山碧瑶@uya_202509062025年11月3日読み終わった分子進化と自然淘汰の関係など興味深い内容だった。 しかし最終章の木村氏の優生と人類の進化に関する部分には疑問を禁じ得ない 「しかし、生物としてのヒトが、あらゆる人間存在の根底であり、これが受精卵核中に存在する遺伝的命令文の翻訳された形である事を考えると、この命令文の退化を許すことは、究極的には人類の退化を引き起こすことにあるだろう。」(P273) 「種々な面を総合的に考えると、マラーの生殖質選抜の方法は、人類の積極的優生の手段として、一般的知能とか健康、社会的協調性といった形質の遺伝的改善を行う上で科学的にはおそらくもっとも安全·確実で、長期的にも有効な手法と言えるかもしれない。」(P276) 確かに理論上は作物の品種改良のように人類の進化の方向を誘導できるかもしれない。 しかし、生物を取り巻く自然環境·人類の社会的環境は変化し続け一時的な損益では有用有害を判断しがたいものであること。 医学の進化で有害遺伝子の除去が弱まる事を危惧しているが、医療水準の向上(あるいは後退)もまた人類を取り巻く環境変化の一部だと考えるならばその変化に合った自然淘汰が発生するのであって、人類の遺伝子プールの多様性が保たれている場合木村氏の危惧する劣化は起こらないのではないだろうか? むしろ人類による恣意的な選抜によって将来の環境にとって有用な遺伝子が除去されてしまうことの方が危険だと思う。
高山碧瑶@uya_202509062025年10月11日読み始めた借りてきた遺伝子は常に変異し続けているが、それが必ずしも生存に有利あるいは不利とは限らない。 ミクロな視点に立つと必ずしも『適者生存』が成り立たなくなるのは面白い。
